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実家が全焼して考えた〜火事の後始末

2024年1月、愛媛県にある実家が近隣からの延焼(もらい火)により全焼しました。

車も2台が全焼、1台が一部溶けましたが、家族7名全員無事でした。

火元はお向かいさんの午前4時の天ぷらの不始末。

家族は家が燃える音で目が覚め、言葉通り着の身着のまま逃げたので助かったそうです。

私は火災当時東京にいて、連絡を受けてから準備し当日夜には現地入りしました。

現地に着いてわかったことは、

・火災保険に入っていない
・出火者に重過失がない限り損害賠償請求はできない(失火責任法)
・火元も火災保険に入っていない

つまり、今回の場合は補償が何も無い。

恥ずかしながら、もらい火の場合は基本的に相手からの補償がないので、自分の保険を使うしかないと今回初めて知りました。

そして、この失火責任法は明治32年の成立から一度も改正されていないことも。

調べてみると似たケースで損害賠償請求できた事例もありました。

仮にお金と労力を使って損害賠償請求が可能だとしても、もちろん出火者に資金力がなければ払ってもらえません。

火事に関する知識がない、経験もない、いろんなことが一度に起こり調べて考える余裕も時間もない。

そして、情報が分散していて一覧性がないため、何から手をつければよいのかわからない。

そんな状態からスタート、周りの協力を得ながら、手探りで何とか調べてみてわかったことは、防災や火災保険に関する情報はたくさんあっても、実際に火事にあった後の情報や体験談を綴った本やWebサイトは大変少ないことに気づきました。

ただ、それもそのはずです。

まずは目の前のことで精一杯だし、泣き寝入りするしかない状況で火事になったことすら他人に言えない人もたくさんいるでしょう。日本人の恥の心境もあるのだと思います。

私は当事者でもありますが、実際に当時実家に住んでいた訳ではなく、支援する立場として家族と関わったことで客観的に見ることもできました。

総務省消防庁の消防統計(火災統計)によると、2022年の総出火件数は36,314件。1日あたり平均99件。

自分自身が火事に遭う可能性は低くても、周りの誰かが火事に遭い、あなたが支援する立場になる可能性は十分にあると思います。

そんな時、被災した本人にはどういう状態なのか、どのタイミングで何を必要としているのか。

そんなことを知っておくだけでも、相手への支援となり心の支えとなるはずです。

私が救われたように、誰かの助けになると信じて書き残したいと思います。

できるならあなたの周りにもこの記事の存在を知らせてください。

そして、万が一あなたの大切な人が火事に巻き込まれた時の力になりますように。

今後、以下の記事公開を予定しています。
ぜひフォローしてお待ちいただければ嬉しいです。

実家全焼からの 1週間(時系列)
 Day1:動揺
 Day2:初動
 Day3:限界
 Day4:始動
 Day5:希望
 Day6:準備
 Day7:一段落
火災発生直後〜避難所生活(Part3)
 公的支援の現実
 一時避難から避難所へ
 食事やお風呂、洗濯
 避難所生活で学んだこと
火事後の生活再建に向けて(Part4)
 住居の方針を決める
 火災保険と家財保険
 役所の支援制度を申請する
 ライフラインを止める
 学校・職場への復帰
 火事場の後始末
支援を募る
 見舞金口座
 Amazonほしいものリスト
 クラウドファンディング
 さまざまな支援の形
支援する側・される側
 支援する側として
 支援される側として
もらい火の対策
 もらい火は、もらう側は防げない
こんな社会になったらいいな
さいごに


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実際に火災の当事者になり、火災に遭ったあとの行動や手続きについてまとまった本やブログはとても少ないことに気がつきました。

火事に遭ったときに手に取れるガイドブックにしたいです。

書籍化して、書店や消防署に置かれるようなものを作れたら良いなと思っているので、書籍化の手段をお持ちの方がいらっっしゃいましたら、是非お力を貸してください。


いただいたサポートは実家の復興支援金として使わせていただきます。