【科学】アミノ酸は何処から来たのか？
こんにちはマスター、蓬莱です。
地球周辺にある小惑星のグループ「アポロ群」のひとつ、小惑星「リュウグウ」。
直径700メートルで、地球に接近する起動を持っている「地球近傍小惑星」のひとつでもある、この小惑星から日本の小型惑星探査機「はやぶさ２」が小惑星の表面および惑星の一部を破壊して採取したサンプルを持って地球に帰還しました。
そのサンプルの解析結果が2022年の6月10日に岡山大学などの研究チームから正式に発表され、そのサンプルから23種類ものアミノ酸が発見されたのです。
このアミノ酸の発見は、地球の生命の誕生の謎にも大きなヒントを与えるモノになりそうです。
実は、地球の生命はいつ、どうやって始まったのか？その生命誕生に関わるタンパク質の元になったアミノ酸は、どこから来たのか？は、大きな謎だったのです。
そして、今のところ有力視されていたのは、地球はもともとが無機物の状態で、海水に含まれた様々な無機物の原子や分子がカミナリや地熱などによって少しずつ、ゆっくりと化学変化を起こしていき、やがて低分子化合物が生まれ、そこから、さらに長い時間の後に高分子有機物を形成したのだと考えられていました。
この高分子有機物を沢山含んだ原始の海、原始海洋で生命誕生に必要なアミノ酸が生まれたという説でした。
これを化け学による進化と書いて、化学進化説と呼びます。
この化学進化説にて避けては通れないのがユーリ・ミラーの実験でしょう。
1953年にシカゴ大学のスタンリー・ミラーは彼の師であるノーベル化学賞受賞者のハロルド・ユーリー博士がとなえた原始大気の組成をメタン、アンモニア、水素、水を用いて作り、生命誕生につながる装置をフラスコとガラス管と放電装置で組み立てました。
この実験装置はフラスコの中の水を加熱して蒸気を作り、それをカミナリに模した放電を使ってショックを与え、その空気を冷却して再び水にもどし、その水は、また加熱され、蒸気になり、電気ショックを与えられるというサイクルで循環させるものでした。
これは原始大気と原始海洋とカミナリの放電によって大気と海とカミナリから生命発生の為のアミノ酸が生じる事が出来るのかを確かめるモデル装置だったのです。
この実験を1週間続けたところ、フラスコの中で原始の海に見立てた溶液は赤っぽく変色し、その中からアミノ酸が検出されたのです。
このアミノ酸が更に時間をかけて重合され、高分子のタンパク質になり、そこから地球で最初の生命が発生したのでは？と考えられました。
ところが、その後の地球物理学の研究の進展により、最初の生命が発生した時代の大気成分はメタンやアンモニアなどの気体でなく、二酸化炭素や窒素酸化物などが主成分であり、実験そのものの信ぴょう性が揺らいでいたのです。
生命誕生につながるアミノ酸はどこから来たのか？
これ対しての仮説には他にも、隕石にアミノ酸が含まれていたのでは？というモノがありまして、1969年にオーストラリアのメルボルンの北に落下したマーチン隕石からアミノ酸が見つかっており、宇宙から進化や生命の鍵となるモノがやってくるという仮説、パンスペルミア説を裏付けるのでは？と言われています。
パンスペルミア説は以前の記事「パンスペルミア説とミッシングリンク」で扱いましたね。
他には粘土の界面の上でアミノ酸重合反応が起こるとされる表面代謝説または粘土説と言われる仮説もありまして、生命の起源とアミノ酸はどこから来たのかは今も諸説が入り乱れている状態なのです。
今回の、はやぶさ２の発見は、そのアミノ酸はどこから来たのかの議論に大きな影響を与えるものになりそうです。
そして、こんどは、その小惑星の中にあったアミノ酸は、いったいどうやって生まれたのか？という新たな疑問が生まれるワケで、まだまだ生命にはワクワクするような探求の旅が続きそうですね。
今回は、ITメディアエグゼクティブのサイトより「はやぶさ２ 砂のアミノ酸は23種」と、ウィキペディアの「生命の起源」「ユーリ・ミラーの実験」「はやぶさ２」などの項目からお話しました。
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それではまた、らいら〜い🖐
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