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生活が苦手な人へ。『世界は終わらない』益田ミリ

生活のなかで、いつもは気にしないんだけど、時にとっても気になってしまうことってないですか?ノリノリのとき、テンションぶちあげのときは考えないのに、少し気分が落ちたり、嫌なことがあったりすると、負の連鎖に入ってしまう感じ。

ジグザグのグラフのように良いときもあれば、悪いときもある。頭で分かっていたとしても、考え込んでしまう日もある。評価、順位、人生の意味...ふと浮かぶ他人と自分の違い、格差、劣等感、コンプレックス。

日々の一瞬一瞬を懸命に生きていたはずなのに、テレビで取り上げられる有名人や、周りの友達、ふと目に飛び込んできた情景から、変りばえのない生活を憂いたり、どうしてあの人には出来て自分には出来ないんだと落ち込んだり。

とても素敵に思えていたものたちが何か比較対象を持つことで、たいしたことのないものに見える。「誰かよりマシだ、あれよりはマシだ。」、そんな風に考えて生きていると、なんだか目線が下がってくるような気がします。

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益田ミリさんの「世界は終わらない」。

嬉しいことがあろうとも、悲しいことがあろうとも、さまざまな人々、さまざまな視点で世界は描かれ続ける。読後、そんなことを改めて考えた一冊です。

昔、目の前の人が考えていることがマンガみたいに可視化できたら楽で良いのに、そう考えていた時期がありました。ゲームで言うなら、攻略本を見ながら「正しい」選択肢を取れることが出来るのにと。

でも年齢を重ねて現実世界の「分からない」を楽しめるようになってきました。人との出会いで新たな行動が生まれていく、人との関係性のなかで生きていくんだ。出会いを重ねるうちに思えるようになってきたことです。

この本は若木信吾さんの「希望をくれる人に僕は会いたい」と同様、渋谷の本屋さん「SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS」 で購入した本。素敵な空間作り、本のセレクトは本を見繕う時間を豊かにしてくれます。

益田ミリさんの「世界は終わらない」、日々の生活に疲弊したときにふと読んでみると、そののどかな絵のタッチ、そして描き出された日常が気持ちを軽くしてくれます。

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