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給食と私と先生の話

私は給食が苦手だった。
給食の味には何の問題もない、どちらかと言えば美味しかった。
私が住んでいた地域では珍しい、給食室という場所があり、そこで調理され出来立てを毎日食べていた。暖かいご飯だった。

そんな恵まれた場所で、なぜ給食が苦手だったかというと、
理由は、先生だった。
私はもともと、人前でご飯を食べるのが苦手だ。
家族間や、親しい人の前なら食べられるのだが、他人になると別。
ご飯を見ただけでお腹いっぱいになってしまい、まったく食べられない。
気にしすぎと言われそうだが。

給食が食べられない人は、食べる前に少なくしてもらう制度があった。
私はいつもそれを利用して、自分が食べられる量にしてもらっていた。

しかし、ある日。
その制度を利用したにも関わらず、給食を食べられない日があった。
私は焦っていた。
皆は、どんどん食べ終わり食器を片づけ、昼休みの準備に取り掛かる。
私はそれを見て、もっと焦った。
そして私の胃袋はどんどん小さくなっていく。

これは本当に食べれないと思い、先生に伝えに行く。
給食を残すときは、「食べられません、残していいですか」と
先生に言わないといけない。
これを言うのも億劫だった。
だが、食べられないため言いに行くしかなかった。
私は言った。
「食べられません、残していいですか」
そして先生は頷き、残していい許可が出た。
その時、私はホッとした。
しかしその瞬間。
先生にペンを投げられてしまった。
「その態度は何?」
と激怒されてしまった。

私は何が起こったか全くわからなかった。
もちろん、食べものを粗末にしてはいけないとわかっていた。
けど、その時の私は本当に給食を食べられなかった。

皆が見ている前で、激怒され、ペンを投げられ、私は、
号泣した。
その後のことは、正直覚えていない。
私のトラウマになっていった。

このことは、親にも言えなかった。
しかし、同じクラスメイトの子がこの出来事を親に言い、
そして私の母に伝わってしまった。

そのことについて母に何と言われたかも覚えていない。

学年が上がり、その時一緒のクラスメイトだった子が
給食の時間にこの出来事をコソコソ私の顔を見ながら話していた。
この出来事を知らない子は、どんどん別の子に話をする。
どんどん、どんどん、この話が広がっていた。

涙が溢れそうだった。
あの時の私よ、よく頑張ったな。
この出来事を思い出すたびに泣きそうになる。
この瞬間もだ。

正直に言って、あの人は学校の先生に向いていない人だった。
急に生徒に大声をあげて怒る人だった。
チョークを生徒に投げているところも見たことがある。

その当時の先生は20代だった。
私もその先生と今、近い年齢にいる。
正直言って、子供にペンを投げようとは思わない。

あの人は、今も学校の先生をしているのでしょうか。
それは全くわかりませんが。
このようなことがないことを願いたいです。
もし、ご結婚されているのなら、
自分の子供に同じことをしてないといいなと思っています。

よく、手が出る人なので。




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