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老夫婦の姿を思い出しながら、
私は自分の心に浮かぶ様々な思いを言葉にしていきます。

二人の微笑みやほのぼのとした眼差しは、限定された一瞬の光景ではなく、互いを想い合う結晶だと感じました。
そんな関係を築けるのは理解し合い、思いやりを持って接するからこそでしょう。

私もまた、誰かに寄り添いたいという気持ちを大切にしながら、自分の言葉を紡いでいきたい。
核になるのは自己対話を繰り返し、私は私のためにです。

言葉には力があり人の心を動かすことがあります。
しかし、その力をどう使うかです。
チクりんの事件を振り返ると、言葉が人を傷つける凶器にもなり得ることを痛感しました。

「言葉は人へ寄り添う道具だ」
私は心の中で戒めます。

老夫婦のように優しさを持って人と接し、互いに支え合う関係を築くには、まず自分自身がその言葉に責任を持たなくてはいけないと思います。

また私は自分の考えに立ち返ります。
自ら抱える劣等感を、他人を助けることで解消したいという驕りは抱いてはならない。

「なんで私の優しさが分からないのだろう?」
自分自身が本当のメシアであると思い込むなどないように。
そう、私にも「チクりん化」は起こり得るから。

「いいね」やPVに囚われず、
たとえ私の自己満足に基づくものであっても、
他人を叩き落として優位性を誇示する言動は慎むのが「あなたのため」になると考えます。

続けて、私はカフェでの出来事を描写します。

老夫婦が楽しそうにお茶を飲みながら、時折笑い声を上げる様子。
二人の会話は長年の親友のようにナチュラルで、
互いの存在を宝物にしているのが伝わり、
温かさが私の心にもゆっくりと広がります。

「こんな風に人と人が繋がれば、どんなに素晴らしいだろう」と思います。

私も老夫婦みたいに誰かと心を通わせることができる文章を書きたいです。
自分の思いを素直に表現し、欲を言えば、誰かの心に響くような作品を目指したい……。

あったかい思いを胸に、私は再びキーボードに向かい、日常の中で見つけた小さな幸せや他人との心の交流を描き続け、少しでも多くの人に体温を伝えられたらと願います。

私の言葉が誰かの心へ光を当て、支える一助となることを望みながら。

今日もまた、私は自分の心の中に浮かぶ雲に形を与えるべく、ブログを更新します。

                  …つづく


この小説は、山根あきらさんとの共作になります


連載物ですが、1話ごとに単独の短編小説として読むこともできます
作中の「私」は
山根さんやももまろの人格ではありません

フィクションです

「浮雲」は、こちらのマガジンに収録していきます