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なにも考えない人

仕事をしていく中でどう付き合えばいいかわからない。いったい全体この人どういう人なのって人がいます。理解しようとしても、何者なのかよくわかりませんでした。

この人の言動は次のようなものです。

・知らないことを知らないと言わない。仕事を進めるために知らないといけないことも、人に聞いたり調べたりせず、知らないままほったらかしにする。
・知っていることを知っていると言わない。聞かれても知らないふりをする。とぼけたり、無知なふりをする。知らないふりをして質問をする。
・わからないことをわからないと言わない。わからないことを聞かれたら、質問からずれた回答をしてごまかす。
・わかっていることをわかっていると言わない。わからないふりをして自分の考えを言わない。すべて人の考えに同調する。
・「ありがとうございます。私もその通りと思っています。そうしていきたいです。」が口癖です。

要するに、この人の内面にあることを何も言わないのです。

あとでつじつまが合わなくなって、ばれるんです。
あとになって、え、そのこと前から知ってたんじゃないですか!?
知っていたなら言ってくださいよ。とか、
えー、知らなかったんですか。聞いたときに知っているような素振りしていまししたけど。知らないならその時説明したんですけど。。てな具合です。
大抵そういうことになったあとは、「申し訳ありません。私のコミュニケーションに問題があるかとも思っています。」そして、照れ隠しのようにニヤッと笑ってごまかします。

これが一度や二度ではありません。知ってるんだったら言ってくださいねとお願いしても、また同じようなことが起こるのです。

最初は、このひとずるがしこい人なのか、わざと隠しているのか、など勘ぐっていましたが、話をしているとどうも悪気があってやっている感じがしないのです。だれかに何かをいわれると口癖のようになんの意味もなく「ありがとうございます。」と返事をします。人当たりもよく、おとなしく、どちらかといえば いい人 です。なので、嘘つかないでくださいと攻めるわけにもいかないのです。

この状況にとても悩みました。この人は何者なのだと。

そして、結論に達しました。
この人は、考えない人 だということです。

この人は、何も考えないので、この人自身が自分についてもわからないのです。だれかと会話をしているときに、考えていないのです。
自分が、知っているか、知らないか。わかっているか、わかっていないかは当然のこと、自分が発言したことに対して相手はどう受け取るとか、まわりにどのような影響を及ぼすかなどをまったく何も考えていないのです。人から聞かれたとき、質問されたときにはもちろん何も考えていないので、適当な返事をするのです。

まるで 無 のような人です。

プライベートでもそうであれば、認知症のようなものなのでしょうが、おそらく会社生活ではこのような言動を貫いているようです。

私は、この人は実は、サラリーマン人生を生き抜くための究極の進化を遂げたのかもしれないと思うようになりました。

この方、大手家電メーカーS社をリストラされて、40代後半で転職してきました。どこかの大手が傾いてリストラすることになると、関西経済会で大手各社にリストラ社員の受け入れ枠が設けられるようです。それで、うちの会社もお情けで採用したんですね。なんとか今の大企業では、通用するスキルも人脈も何もない。この状況で定年までなんとかサラリーマン人生のゴールを迎えたい。波風たてずに、いい人 を演じたい。
たどり着いた究極の策が、無になり、なにも考えずにひたすら「ありがとうございます。」を連呼するだったのかもしれないなと。

会社にはいろんな人がいますね。これこそダイバーシティなのか。


 



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