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鈍く楽しく生きていく

人間を半世紀以上やってると、人から嫌なことを言われても大して気にならなくなる。

若い頃は、すぐに傷ついていたけど。

あまりに人から撃たれ続けて、肉体が鎧並みに分厚くなったのか。

まともには受けず、急所をずらせるようになったからか。

言われた時はショックでも
3日もすれば、記憶力の弱さも相まって、すっかり忘れてしまうからか。

人間としての経験値が増えたおかげで転び方もうまくなって、失敗もそんなに怖くなくなる。

人の目も昔ほど気にならない。

のんびりマイペースに生きられるようになって嬉しい。
年をとっていいこともあるんですね。


          ***


村上春樹のエッセイ「サラダ好きのライオン」によると、

人から何か言われても傷つかなくなったのは、
「感覚が鈍くなっている。」からだそう。

分厚い鎧のおかげで、感じる痛みは減るけれど、
感受性の鋭さは失われていくらしい。

若い頃のように、生き生きした新鮮な目で見れなくなってるのかな。

なるほど、生きやすさと引き換えに失われるものもあるのか。

でも仕方ない。今が楽なんだから。
傷つきやすい若い頃には戻りたくないよ。

文章を書くには、瑞々しい感性は必要だけれど。

若い時は感じるところが多すぎて、頭の中が整理できてなかったよ。

余計なものも全部文章化してしまい、何が言いたいやら、自分でもわからないほど。

鋭い感受性でも全てが使えるとは限らない。

少ない感性を磨いて、豊かに使っていけばいいんじゃないの。

鈍いくらいの頭のほうが生きやすいのだから、
楽しくやっていけばいいじゃない。


そう信じて、今日もぼんやり雲を眺める。


村上さんから若い方たちへ。

若いうちに社会にもまれてしっかりと傷ついておけば、年を取ってからそのぶん楽になるような気がする。
もし嫌なことがあったら、布団をかぶってぐっすり寝ちゃう。なんといってもこれが一番です。がんばってください。


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