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三浦春馬の楽しみ方〜君は変幻自在の万華鏡④~

rev.0 2021.2.11
rev.1 2021.10.9

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作品紹介のリンクを貼り直しました。なお、本記事の文章は、rev.0当時のままです。(rev.1 2021.10.9)
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春馬くんの大きな魅力の一つ、役によって全く違う人になってしまう、というところを、映画『天外者』のオープニングで出てきた万華鏡からヒントを得て、~君は変幻自在の万華鏡~という副題で綴ってきた。

同じような時期に撮った作品で、かなり大きな振り幅を見せられて、「こんなに違うの~!?」と驚くのが私の楽しみ方の一つ。

これまでの記事は、こんな感じ。今回は第4弾となる。

ここまでも相当驚かされてきたけれど、まだまだ春馬くんの変幻自在ぶりは止まらない。20代半ばごろを見ていきたい。

王道イケメン俳優から個性派俳優へ

世間ではその類稀なる容姿の麗しさから、どうしたってイケメン俳優として見られてしまう。春馬くん自身、20代前半には、「ずっと同じ武器で戦い続けている気がして」という葛藤があったという。

そこから『僕がいた時間』のような難しい役柄にも敢えて挑戦していき、いよいよ個性派俳優への扉を開いていった時期が20代半ばなのかな。

『僕がいた時間』の後、単発のテレビドラマ『殺人偏差値70』(2014年7月放送)では、東大受験日に寝坊してしまい出来心から爆破予告してしまう浪人生宮原圭介役。望み通り東大へ入学するも、破滅へ向かっていく苦悩する圭介の表情は、さすが。『サムライハイスクール』であんなに仲良しだった城田優さんとも、今回はダークサイドへと落ちて行く関係。

そのあと公開された『真夜中の五分前』(2014年12月公開)では、オール中国ロケ、オール中国語、日本人俳優は春馬くん一人という中で演じた時計修理士の良役。絶妙な間、絶妙な表情、手や体などセリフ以外での演技も秀逸で、行定ワールドの中で美しく佇む春馬くんは、まるで芸術品のよう。

そのあとは、舞台『地獄のオルフェウス』(2015年5月 - 6月)の日本屈指の女優大竹しのぶさんと恋に落ちる青年ヴァル役。春馬くんのストレートプレイ初挑戦。こちらは、私は宣伝用のVTRしか見れていないが、その姿だけでも溢れ出る色気で発光していた。芝居の終わりの頃には共演の女優さんたちの肌ツヤまでよくなっていった「ヴァル艶」(大竹しのぶさん命名?)という言葉が印象的。

こちらは私は見れていないので、実際にご覧になったはるまふじさんの素敵な記事を紹介させていただく。はるまふじさんも「ヴァル艶」受けたのかしら?

大人気漫画の実写版『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2015年8月公開)『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』(2015年9月公開)で主人公のエレン役。ワイヤーアクション等難しいアクションを、スタントマンもびっくりの身体能力で見事に披露している。まさに体当たりの演技。こちら、公開前からだいぶいわく付きで物議を醸しだした作品だったようだが、春馬くん自体は全身全霊で完璧にエレンを演じ切っていたと思う。悪評に晒され、主役として責任を感じていたというが、春馬くんのせいではない、絶対。

その後、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの小説をドラマ化した『わたしを離さないで』(2016年1月 - 3月放送)の土井 友彦役。臓器提供のためのクローン人間という運命を背負いながらも、夢を持ちながら懸命に生きる姿は心打たれる。癇癪持ちだったり、優柔不断だったり、水川あさみさん演じる美和に翻弄されていたり、でも綾瀬はるかさん演じる恭子への想いはひたむきで。それら感情の襞を丁寧に演じる春馬くんの役者魂を再確認できる。

こんなすごい武器を手にして、どこまで行くの!?

あんなに悲しい運命の友彦から、こんなに変わる!?ブロードウェイミュージカル 『キンキーブーツ』(2016年7月 - 9月)のローラ。

こちらも、ほんとに悔しいことに舞台そのものを見ていない。このあたりは、たくさんの方々の賞賛の記事があるのでそちらにお任せし私が語るのもおこがましい。
私が春馬くんのローラを最初に見たのは、2018年12月のFSN歌謡祭での『キンキーブーツ』のパフォーマンス。まず、ローラの姿から全く春馬くんの面影を見いだせず、「これがほんとに春馬くんなの!?」と驚くばかりだった。今まで見たどの女装家の方よりもはるかに美しいと思ったのはもちろんのこと、その歌やダンス、しぐさまで完璧に女性で、どこにも三浦春馬がいない!と思った。だって、それまで、春馬くんが踊れることも知らなかったし、歌えることも知らなかったし。でも、その日のテレビではビジュアルに驚くばかりで、歌やダンスは全然頭に入ってこなかった。のちに、Youtubeで何度も見て、その完成度の高さに改めて驚かされるが、私の稚拙な表現では、その凄さを表現しきれない。恐るべし三浦春馬、こんなすごい武器を手にしてどこに行くの!?としか言いようがない。

それなのに、その後には大河ドラマ『おんな城主 直虎』(2017年1月 - 12月)の直親さまが来るわけでしょ!?

あんなにローラで世間を驚かせておいて、そのすぐ後にこんな凛々しいプリンスを演じたのかよ、春馬くん!!出演者の中でもとりわけ上背もありがっしりしていて、姿勢もよく、また衣装の淡いきれいな色合いも助けて直親さまの神々しいまでのお姿ったら、どれだけ大河ファンを魅了しただろう。もちろん、あとからだけど、私もすっかり虜になってしまった。柴崎コウさん演じるおとわとの二人のシーンでは切なさを、高橋一生さん演じる鶴とのシーンでは本心が読めない狡猾さを、春馬くんお得意の表情の演技で演じる。春馬くんの直親さま登場回は、主演三浦春馬だよね!?それくらいの存在感、オーラ、演技。ほんとに大河ドラマの主役にこれほどふさわしい春馬くん、いつしかきっとなれたはず・・・とこれを考え出すと無限LOOPにはまってしまうので、やめておく。

近年は舞台に映画にドラマに振り幅は更に大きく

近年2019年以降、記憶に新しい春馬くんの活躍は、舞台に、映画に、ドラマにと幅広く、その上歌手デビューまで果たしたのだから、それはもう万華鏡ならぬ億華鏡!?

舞台『罪と罰』(2019年1月 - 2月公演)の主演ラスコーリニコフ役。こちらも、実際の舞台は見ていないし、WOWOW放送のも見ていない。『地獄のオルフェウス』でタッグを組んだ英国人演出家フィリップ・ブリーンが、「世界中どこを探しても彼の他には考えられない」と言わしめたという春馬くんのラスコーリニコフ。公開フォトコールしか見れていないが、なにかのインタビューで毒蛇をイメージして演じたと語っていたけど、カッと見開いた目、ぐしゃぐしゃの髪の毛、汚れたシャツ、殺人という罪を犯した青年として演じるこれまで見たことのないような春馬くん。でも、これはこれで色気すごいなあ。殺人者の倒錯した精神を3時間にも渡って演じるなんて、相当精神力いっただろうな。

驚くのは、このラスコーリニコフが、『こんな夜更けにバナナかよ』の田中君のすぐあとに来てるんだよ。すごい振り幅で、見てる人の脳が追いつかない!?

WOWOWドラマ『ダイイング・アイ』(2019年3月 - 4月放送)のバーテンダー雨村慎介役。東野圭吾のハードサスペンスのドラマ化。こちらの春馬くんは、3人の女優さんとのキスシーンあり、ハードなベッドシーンありで、かなり大人な春馬くん。春馬くん史上最大の大胆ラブシーン。バーテンダー姿もかっこよくって、とにかく春馬くんの色気を堪能したい人は、ぜひ見るべし!

そしてこの後、『キンキーブーツ』の再演でしょ(2019年4月 - 5月)。更にパワーアップしたローラの登場でしょ。

そして、韓国ドラマのリメイク版『TWO WEEKS』(2019年7月 - 9月放送)では、冤罪を着せられた逃亡犯結城大地役。比嘉愛未さん演じる別れた恋人すみれとの間に娘がいたことを知り、その娘の命を助けるために2週間逃亡する。徐々に芽生えていく父性、身体能力の高さを発揮したアクションシーンなど、必死の表情から溢れ出る色気など、春馬くんの魅力が満載で、これはリアルタイムで見てたから毎週楽しみだったな。

一変して、『アイネクライネナハトムジーク』( 2019年9月公開)の佐藤。ちょっと冴えない普通の男。10年付き合って、ようやく多部未華子さん演じる彼女紗季ちゃんにプロポーズするも、タイミングを間違えちゃってこじれちゃう。ぼーっとした感じも、気の利いたこと言えない感じも、でも自分のことはさておき転んだ子供を助け起こしちゃう優しさも、いるいる~!こういう人~!って感じで、ほんとに普通。 お顔はよく見るとかっこいいんだけど、完全に色気とオーラは消えてたよね。

ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド〜汚れなき瞳〜』(2020年3月公演)の脱獄した男(ザ・マン)。こちらの舞台も見ていない。ダイジェスト舞台映像やインタビュー映像を確認したのみであるが、やはり春馬くん、こういう影のある役をやると色気が溢れ出ちゃうな、と。スワロー役の生田絵梨花さんが清らかなオーラを放っていて、お互いがお互いのオーラを反射し合って、二人ともほんとに美しい。名匠アンドリュー・ロイド=ウェバーの楽曲を高温で歌い上げる春馬くんの映像を見たが、ミュージカル俳優としての春馬くん、ほんとに見たかった・・・

ここから先は必死に見てたよ

『コンフィデンスマンJP -プリンセス編-』(2020年7月公開)の恋愛詐欺師ジェシー役。前作から引き続き、かっこいいったりゃありゃしない。少ない登場シーンなのに、印象に残ったのはジェシーの姿だけ・・・

そのあと、春馬くんに会えたのは国際共同制作 特集NHKドラマ『太陽の子』(2020年8月放送)。石村裕之役。陸軍下士官として出征するも、肺の療養のため一時帰還する。軍服姿も凛々しく、これから散る運命と知りながら戦地へ戻っていく裕之を、これ以上ないほどの繊細さ、優しさで演じていたね。


ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(2020年9月 - 10月放送)では御曹司猿渡慶太役。ともすると下品になりそうな浪費男子を明るく可愛く演じていた。ほんとはとっても優しい慶太。春馬くん・・・

春馬くんの新しい代表作、映画『天外者』(2020年12月公開)では、主役の五代友厚を。もう何も言えません。春馬くんの五代さんは最高です。

そしてやっぱり、春馬くんありがとう

現時点で、世間にお披露目されたキャラクターを見てきたけど、まだこれから『ブレイブ~群青戦記』の徳川家康、映画『太陽の子』があるね。楽しみ。

正直、春馬くんがいなくなってからの変幻自在ぶりを書くのはちょっと辛くなってきたんだけど、こんなにもこんなに自分の正体を消してしまい振幅の大きいいろんな役柄になりきってしまう俳優さん、なかなかいないと思う。たくさんの楽しみを残してくれて、ありがとう春馬くん。



























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