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「自立するための本屋」計画書(2024年7月17日)

こんにちは、イイムラです。一連のnoteはこちらから。
現在は東京・高円寺の「本の長屋」というシェア型書店で、本屋見習いをしています。

この記事は、僕が将来開く予定の本屋の初めての《計画書》です。
noteに書き留めて、できたらコメントをもらったりして、少しずつ構想を磨いていきます。
この案に肉付けしたり、手直しを加えたりして、最終的な形を描けたらと思っています。


店主が勉強サポートをする本屋

1.書籍の販売

新刊と古本を扱う。
限られたジャンルの本を扱う、コンセプチュアルな書店ではなくて、幅広い商品を扱う。子どもにも来てほしいので、独立系書店で扱いの少ないYAも扱いたい。
売り方については、前回の記事「本屋フォッグの営業理念」に沿う。
この《計画書》では、書店として本を売って利益を上げないと維持できない仕組みになっている。だから、本を売る力を付けることはマスト。

2.勉強サポート

店主である僕が元教師であることを生かして、勉強のサポートをする。
サポートというのは、一般的な学習塾のように授業をするということではない。例えばお客さんが小学生~高校生であれば、

  • 家で勉強できない人に付き合う(その場にいて、話し相手になる)

  • 時間を決めて集中したいときにタイムキーパーをする

  • テスト勉強や宿題の計画表を作るのを見守る

  • 学校の予習、復習の試行錯誤に付き合う

  • 寝ていたら起こす

  • 勉強中だけスマホを預かる

  • 関連図書を探すのを手伝う

  • 愚痴や報告を聞く

  • 学校のカリキュラムから外れて興味の赴くままに学ぶ方法を一緒に考える

などといった、一見誰でもできそうなこと。僕はこういうことにこそ教師経験の有無が影響すると思っている。何より、子どもをナメないこと。子どもを「学校や大人、教える人の想定を超えうる存在」として扱うこと。

お客さんが勉強や仕事をする大人である場合にも、似たようなサポートをする。

子どもに対するサービスは、その親に向けたサービスでもある。
子育てをする親の中には相談先が少なくて悩む人もいるし、長い子育て期間の中には疲弊する時期もある。そういった人たちにとって、学校と家以外のサードプレイスがあるかどうかで変わることもある。必要に応じて、カウンセリングや医療に繋げる手伝いもできるかもしれない。
シンプルに「親が言ってもダメだけど、他の大人なら上手くいくこと」もある。どういう人に頼りたいかは人それぞれだけど「教師経験のある本屋の店主」を選ぶ人がいたっていい。

3.イベント

地域にある他の店によるイベント(例えば菓子店によるお菓子作り教室)や、勉強に関するイベント(英語教室や辞書の引き方講座など)を店内で行う。
学校以外の学びの場を作っているNPOや講師を招いたワークショップをやるのもいい。

店の栞が通貨として使える

「読書席」の設置

店内で読書、勉強、仕事できるスペースを設置して「読書席」と呼ぶ。
許容される過ごし方は、一般的なカフェくらい。緊張感を持った静けさはない。「読書席」を使うためには、

  • 2時間あたり500円を支払う

  • 本を買うと付いてくる栞をチケットとして提示する(栞の端を切る)

のいずれかが必要。
(ちなみに都内コワーキングスペースの相場は約600円/1時間)

栞の有効期限

栞をチケットとして使えるのは、本の購入(栞の入手)から1週間。

「読書席」のプレゼント

大人(中学卒業以上)の人は、子ども(中学生以下)に「読書席」をプレゼントできる。

  • 2時間あたり500円を支払う(18歳未満は300円)

で、店にプレゼントされた栞が置かれる。プレゼント先を「英検の勉強をする人へ」「近所の中学生へ」などと限定することもできる。

ここで大人を中学卒業以上としているのは、「大人」という言葉が「成人」という意味である必要は必ずしもないと考えているから。高校生の権利や安全を守りながら、大人扱いすることができると思う。

(迷っていること)

読書席を設けて営業するよりも、時間で分ける方がスタートしやすいかもしれない。例えば、午前中は「勉強スペース」として営業して、午後を「本屋」とするとか。その形を採る場合、栞の在り方も変わることになる。

コンセプトに関わるメモ

「本屋×勉強サポート」ではない

この《計画書》で書いているのは「本屋と塾の併設」のような店ではなくて、「本が買える空間で学べる場」であり、「学べる場を作っている人がやっている本屋」だ。
本屋であることで塾やコワーキングスペースよりも居心地が良いと感じる人も増えるし、本を選べるという事実が学ぶことの自由を担保しているとも思う。

「自立とは依存先を増やすこと」



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