見出し画像

【世界を変えるイノベーション Vol.1】ドローンの活用が心肺停止患者を救う?

このシリーズでは、世界を変えるイノベーション事例を紹介していきます。本記事は、”Drones Could Save the 20,000 Lives Lost to Out-of-Hospital Cardiac Arrest Each Year(ARK INVEST)”の記事を翻訳・要約したものです。約2分(1200文字)で読めます。

1. 12%しか助からない心肺停止患者

米国では毎年、約35万人の心肺停止が病院外で発生しており、その内わずか12%の方しか救命することが出来ていません。生存率が低い理由の1つには、911に通報してから救急車が現場に到着するまでに平均11分かかかることです。下のグラフにあるように、応答時間が短くなればなるほど、多くの命を救うことができます。

画像1

2. ドローンの活用が2万人を救う?

多くの研究によって、救急車が到着する前にCPRを開始できるかどうかが、心肺停止患者の救命に重要な役割を果たすことが明らかになっています。そこで、垂直離着陸型電動ドローン(eVTOL)が、応答するまでの時間を短縮するに有効なイノベーションになりうると考えられています。ARK INVEST社(ARK)の調査によると、eVTOLは1回あたり約$150で救急隊員を、平均5分で患者のもとへ運ぶことができると見積もられています。そして、既存の救急車と組み合わせることで、年間2万人もの命を救うことができると予測しています。これは、病院外での心肺停止患者の生存率を12%から18%に上昇させることができることを意味しています。

3. eVTOLを活用した新しい救命モデル

ARKのモデルでは、下図のように、心停止の通報があった場合、医療技術者がeVTOLで出動し、続いて従来の地上救急車が出動することを想定しています。その結果、初期の応答時間が短縮され、コストの増加は最小限に抑えられ、従来の救急車によって患者の輸送は安全に対応できると想定されています。

画像2

現在、eVTOLの普及には、天候が悪い場合の対処法等、さまざまな課題がありますが、今後、救命現場への活用には大いに期待が出来そうです。ARKの研究によると、人口の少ない郊外エリアでは従来の方法では応答時間が遅くなりやすい傾向にある為、eVTOLの活用が特に適していると考えられています。

4. まとめ

・12%の心肺停止患者しか助けることができない現在の救命体制。
・救急車が到着する前にCPRを開始できるかどうかが、心肺停止患者の救命に重要。
・eVTOLを活用することで、救急隊員の到着を平均11分から5分に縮められる。
・その結果、年間2万人の救命を増やすことができる可能性に秘めている(12%→18%の生存率上昇)。
・農村部などの郊外への活用が特に効果がありそうだ。

最後まで読了ありがとうございました(「スキ」していただいたら嬉しいです!)。別記事も宜しければご覧くださいませ↓

この記事関連のおすすめ洋書↓




よろしければサポートお願いします!いただいたサポートは今後のクリエイト活動に活かしていきます!