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いかに就職先の選択肢を広げるか(1) 日本の企業数について考える

今日は日本の企業数について考えたいと思います。

日本の企業数について、良くまとまっているサイトが下記です。
https://crowdsien.com/lab/?p=824
これによると、2014年現在日本の企業数は382万社あります。とんでもない数ですね。就職活動とはこの382万社の中から1社を選ぶ作業と言っても過言ではありません。大海原をあてもなく泳ぐよう。とても選び切れる数ではありません。

すこし絞って、日本の上場企業はどのくらいあるでしょうか。2018年4月4日現在で3611社です。上場企業とは「証券取引所で株式の売買ができる企業」の事です。
会社が資金を集めるには2通りあります。1つは銀行から借金をすること。もう1つが発行した株式を買ってもらうことです。企業は上場することで、世の中から資金を集めることが可能になります(参照:https://hataraku.vivivit.com/works/listedcompany)。
世の中から資金を集めることができるということは、それだけ企業の社会的責任も増えます。ですから、上場には証券取引所の種類によって、それぞれ上場基準というものがあります。ちなみに一番厳しい基準があるのが、東証一部です。

3611社ある上場企業の中で、東証一部は2083社です(2018年4月4日現在)。以前もブログで言及しましたが、日本の大学数は768大学(2018年4月時点)。皆さんはこれらすべての大学の名前と特徴が分かりますか?
これで想像できると思います。東証一部から企業を選ぶだけでも大変なことです。

さて、皆さんは東証一部の企業を何社言えるでしょうか。書き出してみて下さい。皆さんがどれだけ狭い範囲で就職活動をしているかが良く解りますね。まずは、このことを認識して欲しいと思います。テレビで目にする、自分が知っている企業だけが全てではないのです。まずは、少しでも企業を知ろうとする努力をして下さい。そこで私がはじめにお勧めしたいのは、業界地図就職四季報を購入することです。

業界地図を読めば、各業界で各企業がどのような売り上げ規模を誇り、企業同士でどのような関係にあるのかが一目瞭然です。就職四季報であれば、売り上げや平均年収、離職率など、企業の客観的データを5000社分比較することができます。

さらに、業界地図や就職四季報を買ったら、知っている会社だけでなく、知らない企業にこそ注目して下さい。そして、色々なデータに興味を持って欲しいのです。「なぜこの会社の年収はこんなに高いんだろう?」「なぜこの会社の離職率はこんなに高いんだろう?」こういう疑問を広げていくことが、就職先の選択肢を広げるヒントになると思います。

企業のデータなら「リクナビやマイナビといった、インターネット求人サイトで調べればいいじゃないか」という声もあると思います。しかし、それだけに頼ることは賛成できません。なぜならインターネットは、自分の興味の持った企業のサイトを調べるには適していますが、知らない企業を発見するには適していないからです。さらに求人サイトは、ハローワークのサイトを除けば、サイトに求人掲載するのに掲載料がかかります。企業が掲載料を求人サイトを運営する会社に沢山支払えば、トップページなど、条件の良いところに求人掲載することが可能です。逆に言えば、トップページに出てこない、埋もれてしまっている優良企業を見つけることが難しいということです。それに比べ、業界地図や就職四季報は掲載料は取っていませんから掲載条件が平等です。さらに、紙の本ですので、パラパラめくれば、知らない企業が突然目に飛び込んできます。前出のクランボルツの言葉を借りれば、「いい偶然」に巡り合う可能性が高まることになります。

まずは、企業数がどれだけ多いか認識して下さい。そして、知っている範囲で企業を選ぶだけでは、選択肢は一向に広がらないし、いかに限られた中で就職活動を行うことになるかを認識して下さい。一番大切なことは、知らない企業に気づくことです。

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