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1983 / バンクーバー・シアトル・トロント・モントリオール②

 シアトルからバンクーバーに戻ると、知人宅で数日ゆっくりした。毎晩、知人宅を訪れる日系人やカナダ人とコーヒーやクッキーで団らんした。当時、カナダは不景気で、求職中の人も何人かおられた。毎日のように話せたのは、単純に時間があったからだと思う。

 滞在中、ビクトリア公園、マリーナ、ブリティッシュ・コロンビア大学などを訪れた。いずれも気持ちのよい名所だった。観光ではないが、知人の招待で日系人のパーティーに参加したことが心に残っている。場所は、郊外の教会だったと思う。高齢の方々が多くさまざまな事情からカナダに移り住んだと知った。カラオケで演歌など歌ったら、とても喜ばれたことを思い出す。会食で出たうどんに、松茸がたっぷり入っていたことには驚いた。松茸は現地ではさほど高くないとのことだったが、後にも先にも、こんなにたくさん食べたのは、この時だけだ。

 自然の風景では、フレーザー川が凄かった。雨天直後だったのかもしれない。とにかく、黒い流れのその水量と勢いが恐ろしかった。上流のキングサーモンの燻製工場で、極上の加工品を買い、日本へのお土産にした。

 バンクーバーの食事は、レストランではなく知人宅で摂ることが多かった。水道水で炊いたカリフォルニア米がホカホカ、サラサラで滅法うまい。透き通る味わいの水は山からの恵み、水道代は無料と聞いた。ローストビーフとアイスクリームのアメリカン・スタイルの食事が続いたが、飽きることはなかった。

 先住民(いわゆるネイティブ・アメリカン)の保留地(居留地)も訪れた。街でも、姿を見かけることがあった。彼らの歴史・現状について安易なコメントはし難いのだが、最近、“Ramble” という音楽映画を見て、少し理解が進んだ気がする。

 今回はここまで。次回はトロントなど。