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『アメリカ大陸横断鉄道の旅 第8回 キーウェストと天国に一番近い高速道路US Route 1 & セブンマイルブリッジ』をアップロードしました

天国に一番近い高速道路とか、「天国はここから行けたのか…!洋上に伸びる橋『セブンマイルブリッジ』」とか大げさな紹介をされることが多いフロリダ半島の南端、キーウェストへ続く高速道路US-1を走ってきました。

セブンマイルブリッジはフロリダ半島からキーウェストへ向かうUS1号線にある全長6.765マイル、10.887kmの橋です。しかし通り道に過ぎないセブンマイルブリッジは終点のキーウェスト以上にもしかしたら有名で人気かも知れません。数々の映像作品のロケ地として使われ、まさに楽園という雰囲気のサンゴ礁の中を進む高速道路がUS1号線です。

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マイアミからキーウェストまでは車で4時間ほどかかります。地図で見るとそれほど遠くないようにも思いましたが、かなりの長旅で、日帰りもできますが少々大変でした。実はキーウェストの西側にドライトートガス国立公園という絶海の孤島の国立公園があります。たぶん一番行くことが難しい国立公園の1つではないかと思います。ここに行くツアーはキーウェストから朝の7時に船が出るそうなので、その場合はキーウェストに宿泊することが必要になりそうです。しかしツアーの予約は一杯で、どうしても日程が合わなかったので見送ることになりました。

出発地点はキー・ラーゴ島です。ここからキーウェストに向かって絶景ドライブです。

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今日も空が青いですね。来るまでは全然知らなかったのですが、このキーラーゴ島は想像したよりずっと大きく、また都会でした。すぐに島を出てサンゴ礁の海の上を走れると思ったのですが、かなり長い間、島の中を走ることになりました。お店もかなり多く、ここで生活をしても不自由しないかも知れません。

友人に聞いたのですが、なんでもキーウェストは以前はフロリダ半島の大きな街で、マイアミが発展したのは1960年頃だから、それ以前はキーウェストの方が都会だったというのです。見落としかも知れませんが、日本語のガイドブックにはそんなこと書いてあるのを見たことはありません。やはりアメリカ人恐るべしという感じです。さらっとした知識のレベルが違います。別に友人はフロリダ出身とかではなく、最近ニューヨークから引っ越してきたのですが、それでも色々知っています。

少し調べてみました。マイアミは1896年7月28日に正式に街として認められ、当時の人口は300人ほどでした。マイアミの地名の由来はマイアミ川ですが、マイアミ川の名前はネイティブアメリカンの部族名のようです。その後、1920年代にはマイアミは発展します。マイアミビーチ市の砂州の埋め立ても1915年くらいです。しかし、その後開発は停滞し、1926年にはハリケーンが襲来し、1930年代は世界恐慌の影響で開発は停滞します。1940年頃の人口は約17万人です。その一方でマイアミは急速な成長をすることが魔法のようだということでマジックシティと呼ばれたそうです。

大きな転換点は1959年のキューバ革命です。フィデル・カストロがキューバで権力の座に着くと、多くの裕福なキューバ人がマイアミに逃げてきました。これがきっかけでマイアミの人口は大きく増えることになります。ですから、今でもマイアミは中南米の首都と言われ、街ではスペイン語が至るところから聞かれ、アメリカであるにも関わらず英語ができない人もいるそうです。

一方でヨーロッパ人によるキーウェストの歴史は1763年くらいからあるようです。開発は1820年代には既にあったようです。1830年代にはキーウェストはアメリカで最も一人あたりが豊かな都市でした。この頃からハリケーンの影響で街が壊滅的な打撃を受けたという記録があります。1909年、フロリダキーズハリケーンによってキーウェストは荒廃します。1910年にまたキューバハリケーンが襲来し追い打ちをかけます。

この頃、ヘンリーフラッグラーのフロリダイーストコースト鉄道がオーバーシーズ鉄道を敷設します。道路の名前に残るフラッグラーがキーウェストの鉄道を敷いた人だというのは友人も知らなかったみたいです。その後、1938年にUSルート1が完成します。キー諸島を通るUSルート1はオーバーシーズハイウェイと言います。この高速道路はフランクリン・ルーズベルト大統領も見学に来ます。1946年頃、ハリー・トルーマン大統領がキーウェストに別荘を建てました。この頃まではキーウェストは華やかだったと想像します。しかし、その後もたびたびハリケーンの襲来で甚大な被害を受けます。そうしてマイアミに南フロリダの主要都市の座を譲ることになったようです。

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キーラーゴ島を出ると小さい島々とそれを繋ぐ橋を渡れるようになります。あとになって気づいたのですが、車のボンネットにカメラを固定して走ると視点が低く、転落防止用の壁が邪魔で海を撮影するには不向きでした。屋根の上に乗せればよかったかも知れませんが、広角レンズを使っているとボンネットが映って、これまた迫力のある映像にならないかも知れません。運転席はカメラより視点は高いのでもう少しよく見えました。旅行動画をもっと上手く撮りたいのであれば、ドローンを買うとかしたほうがいいのかも知れません。そんな風に考えると際限なくお金を使ってしまうところが難しいですけどね。ただ、ドローンは50ドルくらいでも売っています。レビューによるとコントロールがあまり利かず、障害物にぶつかりやすいとのことです。屋外での撮影ならそうした心配はないかも知れません。コントロールを失って海に落ちたら悲しいと思いますので、目の届く範囲で飛ばすことになるでしょうか。

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セブンマイルブリッジの右側に見えるのは、これはフロリダキーズ、オーバーシーズ、ヘリテージトレイルと言います。このトレイルは106マイル、171キロの歩行者と自転車向け舗装路です。まだ建設途中で完成していませんが、開通すればキーラーゴとキーウェストを結ぶトレイルになります。

この壮大なトレイルはゼロから開発されたものではなく、フロリダイーストコースト鉄道によって建設された旧オーバーシーズ鉄道の再利用です。鉄道は1911年に運行開始されましたが、1935年のレイバーデーハリケーンの影響で運休になりました。

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セブンマイルブリッジを過ぎて少し行くとキーウェストに着きます。アメリカ最南端の碑(?)があります。キューバまで90マイル。マイアミよりキューバが近い。

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これが南部のプランテーション風のヴィクトリア様式のアンテバウム建築でしょうか。ダブルバルコニーと言って、一階と二階の両方に直射日光を遮るためのひさしの深いベランダがあるのが特徴だそうです。

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これは大陸横断鉄道の旅の一環ですが、鉄道旅行はマイアミ駅までで、そこから先は自動車で旅をしました。前回、エバーグレイズ国立公園について動画を作ったところ意外と長くなってしまい、分割してキーウェスト編を別に作りました。今回で鉄道旅行の動画はひとまず区切りとなります。

動画づくりをしていて、ただ車載カメラの動画を流すだけならいくらでも長くできます。今回も3時間以上走っているので、それでよければ3時間の動画になりますが、ひどく退屈だと思います。なので、できるだけ背景知識とかを入れて多少は視聴に堪えるようになるよう工夫をしましたが、いかがでしょうか。このナレーションと動画を合わせる作業はとても大変で、同様のジャンルをやっているYouTuberのみなさんは大変な才能と努力だと思います。


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