見出し画像

相輪塔と寝釈迦(日常の不思議ファイル 39)

沢入という無人駅から3時間ほど歩いた山の中に
家一軒くらいの大きさの岩が現れます。

歩いているだけでは絶対に見えない、
その岩の天辺に 寝釈迦 が掘ってあります。

誰がいつ彫ったのかも分からないし
どうやって発見したのかも分からないようです。

今はコンクリートと石で階段がつくってあって岩の上まで行けますが、
それが無かったころは、どうやって上まで登ったのでしょう?

そしてそこから300mほど離れた樹々の向こうに
にょきっと石の柱のような相輪塔が見えます。

相輪塔は上に行くほど大きな石が積み重なっていて
そばに行って見上げると、どうやって置いたのか
途中に小さな石像がはめ込んであったり、とても不思議です。

近年、草木湖畔のドライブインに大きな寝釈迦像ができましたが、
山中にある寝釈迦像とは似ても似つかないので残念な印象です。

肝心の寝釈迦は
群馬県の桐生駅から栃木県日光市の間藤駅をつなぐ
わたらせ渓谷鐵道の沢入(そうり)駅から山の中に向かっていきます。

車で行くときは2kmくらい行ってから歩きます。

私は山歩きはしませんので軽いトレッキングコースなのかもしれませんが
けっこう坂道を登っていくのは大変でした。

不思議なのは、登っていく途中の山々が
まるで石垣のように見えることです。

印象としてはピラミッドの角のようになっているところがたくさんあって

次のピラミッド、角を曲がったら、また次のピラミッドと、
大小のピラミッドの中を歩いているのじゃないかという気がしていました。

2度目に行ったのは2月。
誰もいない山に囲まれた細い道を歩いている間、
あちらこちらから見られているように感じていました。

痛いほどの視線を感じながらも悪意は感じなかったので
葉が落ちた木々の間から、動物でも見てるに違いないと
自分に言い聞かせながら歩いていきました。

あの圧倒するような空気は、とても言い表せません。
行ける人はぜひ行って確かめてみて欲しいものです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?