魔法のキャラメル
誰かの言葉の魔法にかかったことはありますか?
小学生の頃。初めて大きなコンクールに挑戦することになったある夏のこと。
夏休みを利用して講習会に参加したものの、へたっぴの私は撃沈。上手なお兄さん、お姉さん達の演奏や練習に圧倒される日々でした。
講習会に、あるお兄さんがいました。彼の存在は昔から有名で、小さい私にとって憧れの存在。誠実で温厚な人で、人柄溢れる音楽が聴き手を魅了しいつも穏やかに微笑んでました。
憧れのお兄さんだったその人に、講習会の間恐れ多くて話しかけられなかったことを今でも覚えています😲
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迎えた講習会の最終日。ホテルのロビーでそのお兄さんが話しかけてくれました。
「コンクール受けるの?」
課題曲のバッハを弾いていたことをお兄さんが覚えてくれていた。まず私はそこに感動していました。笑
そこからお兄さんの話を聞いたり、バッハが難しいという私の話を聞いてもらったり…していたのかな。
ふと、お兄さんが2つのキャラメルを差し出してくれました。
「これはね、バッハが上手に弾けるキャラメルだよ。
1つは本番、弾く前に食べてね。もう1つはお守り。」
手のひらに置いてくれたそのキャラメルは、至って普通のキャラメル。
でも私にとっては魔法のキャラメルでした。お兄さんが笑顔と共にくれた「バッハが上手に弾けるキャラメル」を食べた暁には、自分が強くなったような。そんな感覚味わった事はきっとみんなあるんじゃ無いかな。
好きな言葉って誰しもあると思います。
それはことわざだったり、歌詞だったり…はたまた誰かが私にくれた言葉だったり。忘れる事なく自分の心の中にあり、その無数の言葉の魔法や小さなおまじないはずっと自分の中で生きています。
たった一言。
何気なくサラッと口にした言葉。
それが知らず知らずのうちに自分を、誰かを、ずっと支えることも、ずっと縛り付けることもできる。
言霊ってあるんだなぁと思うし。
不思議ですね。
思い出話のつもりが、書くうちにこのエピソードにある核の部分に気づいていって…
「ことば」にフォーカスしたオチになってました。
余談…
実は、「お守り」の方のキャラメルは未だに保管しているんです。あまりにも時間が経ちすぎて、私にとっては大事なものでもお見せできるような状態では無く💦写真のキャラメルは、代わりに小学生の頃から毎年欠かさず作る生キャラメル🍭
ではまた☺︎
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