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おすすめの書籍

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ウェッジから刊行された書籍の中から、ほんのひとときがおすすめする、旅や文化・歴史に関するものをご紹介していきます。
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#書評

“能”の世界がよくわかるおすすめの2冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(5)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。最終回となる5回目は、知れば知るほど奥深い魅力を感じられる「能」の世界について。 まことの花を咲かせる能 世阿弥の著書『風姿花伝』(世阿弥、野上豊一郎・西尾実校訂、岩波文庫)は、世阿弥が一族に伝えた書。世阿弥の言葉は「初心忘るべからず」や「秘すれば花

“茶の湯”と“歌舞伎”の世界がよくわかるおすすめの9冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(4)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。4回目は、いまも日本人に広く愛されている「茶の湯」や「歌舞伎」の世界について。 茶の湯の世界 日本全国に禅宗が広まるのと同時に、広がっていったのが茶道です。そして安土桃山時代には千利休が侘茶を完成させ、現在の茶道の形となりました。千利休の生涯は、伝説

“般若心経”がよくわかるおすすめの6冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(3)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。3回目は、仏教の真髄となる教えが凝縮しているといわれる「般若心経」について。  仏教で、宗派や時代を超えて愛されているのが般若心経です。『空海「般若心経秘鍵」』(空海、加藤精一編、角川ソフィア文庫)は、空海が般若心経とは何かを語った本。訳から引用して

“仏教”と“禅”がよくわかるおすすめの5冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(2)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。2回目は、「仏教」と「禅」について。  仏教の本は山ほどあるのですが、とにかく大枠を知りたいときには『図解 ブッダの教え』(田上太秀監修、西東社)がおすすめです。ブッダの弟子の10人はどんな人だったかとか、ガウタマ・シッダールタがどう悟りを得たかとか

“儒教”がよくわかるおすすめの8冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(1)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。初回は、日本文化を理解するうえで欠かせない「儒教」について。  日本文化を語るとき、仏教や儒教の話を欠かすことはできません。しかし仏教はともかく、儒教は身近ではないと感じる人も多いでしょう。『儒教とは何か』(加地伸行、中公新書)や『沈黙の宗教――儒教

“世界一ちょうどいい”初心者向け仏像本(お笑い芸人・みほとけ)

こんにちは、仏像をこよなく愛するお笑い芸人・みほとけと申します。 著者・田中ひろみ先生とは公私ともに仲良くしていただいてまして、共に古今東西の仏像をめぐる仏友です。 私は仕事で仏像のトークショーなどさせていただくのですが、必ずと言っていいほど「仏像の初心者なんですが、おすすめの本ありますか?」と聞かれます。 私は声を特大にしてこう言うでしょう。 「田中ひろみの『仏像イラストレーターがつくった 仏像ハンドブック』を買ってください」と。 もう私からプレゼントしたいぐらい

これ以上、仏像が好きになってしまったらどうしましょう?(モデル・はな)

モデルのはなさんが、弊社刊行の西山厚さんのご著書『仏像に会う―53の仏像の写真と物語』の書評をお寄せくださいましたので、ご紹介いたします。  気がつけば、仏像の世界に足を踏み入れてから30年ほど経ちます。  大学時代は、教室のプロジェクターに映し出される仏像のスライド写真を見ながら勉強し、卒業してからは、生の仏像を追っかけるようになりました。当時はモデルの仕事で京都に行くことが多かったので、その前後の時間を利用して、近くのお寺に足を運ぶ程度の「やんわり」とした追っかけでし

さだまさし「小さな人生を懸命に生きる人へのエール」――『日本人よ、かくあれ』

歌手のさだまさしさんが、弊社の新刊書籍『日本人よ、かくあれ――大和の森から贈る48の幸せの見つけ方』(岡本彰夫 著、保山耕一 写真)の書評をお寄せくださいましたので、ご紹介いたします。  『上へ上へではなく、奥へ奥へと進みなさい』  僕は岡本彰夫先生に10年以上に亘って深いお付き合いをお許しいただいていますが、岡本先生の言葉は、たとえ厳しくとも常に「情」と「心の奥行き」に満ちています。  「情」とは人間同士の心にとって、最も温かな潤滑油であり「心の奥行き」は、他も我も共