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台北建築歴史探訪──日本が遺した建築遺産を歩く

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台湾在住作家である片倉佳史氏が、台北市内に残る日本統治時代の建築物を20年ほどかけて取材・撮影してきた渾身作『台北・歴史建築探訪』。このほど発刊される増補版では、コロナ禍でリノベ… もっと読む
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記事一覧

【不只是圖書館】工場内の浴場を再整備した私設図書館|『増補版 台北・歴史建築探訪…

 専売局松山工場は市内最大規模を誇る産業施設だっただけに、工員の生活を支える様々な施設が…

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【郭怡美書店】時代の最先端をいく台湾書店の旗手|『増補版 台北・歴史建築探訪』よ…

 かつての永楽町通り(現・迪化街)は大稲埕の繁栄を象徴する家並みとして知られていた。この…

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【AKA café】洋館の雰囲気の中で楽しむくつろぎの時間|『増補版 台北・歴史建築探訪…

 ここ数年、大稲埕地区では老家屋を再生させたカフェやショップが次々と誕生している。「AKA …

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【OrigInn Space】歴史建築の味わいに浸れる個性派プチホテル|『増補版 台北・歴史建…

 大稲埕は茶葉や米、布地などの交易で栄え、今でもバロック風の装飾を正面上部に据えた商館建…

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【行政院 旧台北市役所】竣工から5年足らずで敗戦を迎えた市役所の新庁舎|『増補版 …

 ここは日本統治時代の台北市役所である。竣工は1940(昭和15)年で、翌年から使用されている…

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【文房・文化閲讀空間】老家屋に息吹を吹き込んだ読書空間|『増補版 台北・歴史建築…

 老家屋を利用した読書空間。日本統治時代の高級官舎が文芸空間として整備されており、好評を…

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【國立臺灣文學館臺灣文學基地】和洋折衷の木造家屋が並ぶ歴史景観エリア|『増補版 台北・歴史建築探訪』より(5) 

 幸町と呼ばれた界隈には、閑静な住宅街が広がっていた。高級官吏用の住宅をはじめ、区画整理された土地の上に公務員用の住宅や企業家の邸宅などが並び、台北でも指折りの住環境を誇っていた。同時に教育機関も多く、文教エリアでもあった。  こういった家屋は戦後に中華民国に接収され、政府関係者に当てがわれたが、環境の良さは保たれていった。民主化が進められる中、こういったものを公共財産として扱い、有効に活用していく試みが2000年頃から盛んになった。ここも日本式の木造家屋が続々と再整備され

【市長官邸藝文沙龍】樹木に覆われた高級官舎が文芸サロンに|『増補版 台北・歴史建…

 喧噪の大都会の海に浮かんだ小さなオアシス。ここはそんな表現が似合いそうな場所である。旧…

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【大院子】ガジュマルの老樹が生い茂る歴史再生空間|『増補版 台北・歴史建築探訪』…

 台北帝国大学の教職員住宅が集まっていた旧昭和町は、家屋や樹木の保存運動が盛んなエリアで…

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【新富町文化市場】公共空間として生まれ変わった公設市場|『増補版 台北・歴史建築…

 下町情緒が色濃く漂う一角にある市場建築。萬華駅に近い住宅街にあった公設市場である。  …

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【臺北賓館】重厚かつ優美な雰囲気をまとった総督の官邸|『増補版 台北・歴史建築探…

 この建物はかつて台湾総督の官邸だった。広大な敷地の中にあり、瀟洒な西洋建築がどっしりと…

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