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娘と私の本棚(小学4年生と母)


娘と一緒に読んだ本、2冊。

大人になってすっかり忘れていたけれど、
どちらも子供の複雑な心を思い出させてくれる本でした。

くちぶえ番長

くちぶえを吹くと涙が止まる。大好きな番長はそう教えてくれたんだ――。懐かしい子ども時代が蘇る、さわやかでほろ苦い友情物語。
小学四年生のツヨシのクラスに、一輪車とくちぶえの上手な女の子、マコトがやってきた。転校早々「わたし、この学校の番長になる! 」と宣言したマコトに、みんなはびっくり。
でも、小さい頃にお父さんを亡くしたマコトは、誰よりも強く、優しく、友だち思いで、頼りになるやつだったんだ――。
サイコーの相棒になったマコトとツヨシが駆けぬけた一年間の、決して忘れられない友情物語。

くちぶえ番長の方は、大人も小学生も、同じような感想を持つかもしれない。読後感もすっきり爽やか。

きみの友だちの方は、大人が読むのと小学4年生の娘が読むのとでは感じ方ががらっと変わるかもしれない。なんとなくそう思いました。
娘に感想を聞いてみたら、切ないお話だったと。たった一言でも娘の気持ちは伝わってきます。

きみの友だち

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる――。
足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件がきっかけでクラスのだれとも付き合わなくなった。
学校の人気者、ブンちゃんは、デキる転校生、モトくんのことが何となく面白くない……。
優等生にひねた奴。弱虫に八方美人。それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味をさがす連作長編。

子供は大人が思っているよりもずっと色々なことを考えて悩んで生きているということ。そのことを大人には話さないということを改めて感じました。

親としては悩み事も全部話してほしいとつい思ってしまうけれど、子供の世界は簡単に説明できるような出来事ばかりではないし、子供自身も自分の気持ちがわからないことの方が多いかもしれない。

子供が自分で解決しようとしていることは、どんなに心配でも無理に聞き出さない方が良いかも。
子供が助けを求めたらもちろん全力で力になるけれど、そうでなければぐっと堪えて見守る、知らないふりすることも大切なんだろうな。


読み進めながらつい登場人物を娘や息子の将来の姿に重ね合わせ、自分なりの気付きがたくさんありました。子供達が思春期を迎える前にこの本と出会えて良かった。


読み終わった後に、ふとこんな感情を思い出しました。
自分のことで親が悩んだり悲しんだりするのって、子供にとっては辛いし、ちょっときつい言い方をすれば、迷惑なことなんですよね。
自分の悩みだけでいっぱいいっぱいなのに、そのうえ親の悩んでる姿まで抱えられないというか。

私は心配性なので、娘や息子が悩んでいたら、私も同じように悩んでしまいます。そんなんじゃ、相談もできないよなぁと反省。

本の話に戻りますが、読んでいると心臓がドッドッドッと早くなり苦しい気持ちになる場面がありました。
感受性が強い娘はどう感じただろうかと、読み終わったものはどうしようもないのに心配症の私がまた顔を出し・・。いけない、いけない。


うちの子だったら何があっても大丈夫!きっと乗り越えられる!って、どーーんと構えていられる親になりたいと思いました。
今日感じたことを忘れないでいたら、この先何があってもありのままの我が子を受け入れられそうな気がします。noteに書けて良かった。

娘から私へ繋がる2人の本棚。次は「都会のトム&ソーヤ」と「四年霊組怖いもの係」が待っています。


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