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なぜ転職をしても満足できないのか?

一昔前は、新卒で入社した会社で働き続けることが一般的でした。しかし、終身雇用制度や年功序列制度が少しずつ崩れ始め、様々な働き方が誕生しました。その結果、今では社会人の2人に1人は転職を経験しているそうです(調査:リスクモンスター社 「社会人の転職事情アンケート」調査より。)。

そもそも、待遇や労働条件の何もかも、すべてに満足している人はかなり少ないのではないでしょうか。価値観は人それぞれです。ビジネスパーソンひとりひとりが、会社に対して何らかの不満を持つのは当然と言えるかもしれません。そして、所属する企業への不満や現状への焦り、はたまた向上心が原動力となり、転職を考えるはずです。

転職を検討し始めたとき、その理由がポジティブ/ネガティブに関係なく「現状を変えたい」。その思いは誰もが持っていると考えられます。「なんとなく環境を変えてみたい」という人であっても、現在いる環境への満足値があまり高くないからこそ、環境の変化を望むはずです。

そして、たくさんの企業の求人を見たり面接を受けたりし、晴れて転職に成功します。ですが、結果的には“ただ環境を変えることに成功しただけ”なんてことも多々あるようです。

インターネットで『転職 後悔』と検索すると、予測変換に『戻りたい』『後悔しかない』といった文言が出てきます。Yahoo!知恵袋にも、転職の後悔を見知らぬ第三者に相談する書き込みが多くあります。

一体、なぜ後悔をしてしまうのか?

キャリアプランを整理しない…は転職失敗の元?

考えられる理由に、転職先や自身が歩んで生きたいキャリアプランをしっかりと整理していない点があります。
これを読むあなたが某大企業に勤めていたと仮定します。中小企業と比較して給料は良いですが、いまだに年功序列制度が根付く文化で、仕事にもやりがいを感じていません。そこで、自己成長を促す意味で同業のベンチャー企業へ転職を考えるようになりました。

ベンチャー企業側としても、大企業で働いてきた人材の経験値が欲しいと思うのは当然です。結果あなたは、給料などの待遇面が下がることに目をつむり、将来の投資として若い会社への転職を決めます。

大企業とベンチャー企業では働き方に差が生じます。これまで当たり前だったことがそうではなくなりますよね。頭では分かっていたつもりでも、実際に業務をこなす中で、予期していなかった事態に遭遇することもあるでしょう。

すべてを覚悟し、なおかつ具体的な将来のキャリアプランを描いて環境を変えたのであれば、大変なことがあっても乗り越えられるかもしれません。ですが、ただなんとなく「大企業で成長は望めなさそう」であったり「ベンチャーならばすぐに成長できそう」などの理由で転職を決めてしまうと、後悔する確率は高くなると考えます。「給料は下がって仕事も大変で、でもあまり大きな仕事はないし会社の肩書きも使えない。やっぱり前の方が良かった…」といった具合に。

とはいえ、転職は実際に働いてみないと成功か失敗かを判断することは難しいのも事実ですね。今はネットで多数の求人を閲覧できますが、求人広告を作成する人材企業が取引先である会社を悪く書くことは少ないです。つまり、求人広告だけではなかなかその企業の善し悪しが判断しづらいのが現実です。
そのためこういったケースでは特に、実際に大企業からベンチャー企業に転職をした人の話を聞いてみることが非常に大切になってくると思うのです。良かったこと、反対にそうでなかったこと等をよく聞き、「自分はこの転職で幸せになれるのか?」、熟考する必要があるでしょう。

隣の芝は青い…で終わらないために。自分は何を優先したいのか?

そもそもまず、「今いる会社の何に満足していて、何に満足していないのか?」をはっきりさせたいです。そしてその上で、「不満足な部分を変えることは不可能なのか?変えるための努力をしたのか?」を自問してみてください。
なぜこの工程が必要かというと、すべてをやりきった上で他を見ることをしなければ、「隣の芝は青い」で終わってしまいます。たとえば所属する部署に不満があるならば、異動はできないのか? 仕事が面白くないのは今だけで、数年後は大きなプロジェクトに携われるキャリアを歩んではいないか? 不満に対して会社や上司と会話し、改善できるように行動したかなど振り返り、改善に向けての努力をするのです。
しっかりと、今の不満を解消するというアクションをしなければ、たとえ転職に成功しても意味がないかもしれません。転職先でも当然、不満点が出てくるでしょう。前職ですべてをやりきることをしてさえいれば壁は乗り越えられます。しかし、そうでないと不満が出るとまた転職を考え、そして次の転職先でもまた…といった具合です。この時間は生産性もないですし、キャリアにも一貫性がなくなるかもしれません。

そして上記の作業を行うことにより、自分が『お金』『やりがい』『ワークライフバランス』などなど、働く上で何を一番大事にしたいかを明確になるはずです。
これは『優先順位』と言い換えられるかもしれません。冒頭にも話しましたがが、全てに満足できる環境はそうありません。他社よりも柔軟な働き方ができる企業ならば収入が相場より低い可能性がありますし、何か特殊スキルを持ち合わせていないにもかかわらず同業と比べて賃金が高ければ、その分、仕事に割く時間が増加すると考えるのが一般的です。つまり、自分は一体何を第一優先に考え、仕事をするのかが大切と言うわけです。
では、働く上で自分の優先したいことを洗い出すにはどうしたらいいのか?
まずは、よく考えることが重要です。ですが、それだけでは不完全です。

やりたいこと探しで終わってはいけない

現代は、「自分のやりたいことがわからない」と悩む人々が増えています。インターネットが普及し様々な情報を簡単に得られるできるメリットは、一方で情報に溺れてしまう危険性も孕んでいます。多くの情報をインプットする中で、次第に自分の意見をなくしてしまう人も少なからずいるのではないでしょうか。そのような人が増加しているからこそ、「好きなことをしよう」「一度きりの人生、後悔しない生き方を」といったフレーズが蔓延し、結果的には悩める人をさらに作っているのかもしれませんね。

というのも、自分で考えることが難しくなっている状態でそんなことを言われても、です。このような主張に感化され「自分の好きなことは何だろう」と考えても結局よくわからず、また同じような言葉を発信するネット記事に頼ったり、本を購入したりします。

好きなことを仕事にするや、後悔のない人生を送るといった主張に反対しているわけではありません。むしろそのように生きることができたら幸せな人が増え、国が良くなると本心から思います。

ただし、それを実現するには好きなことや自分探しに注力するのではなく、もっと広く、どう働いたら幸せになれるのかを考える必要があるのではないかと言いたいのです。そのため、働く際の優先順位をつけて欲しいわけです。

しっかりと自問自答をしてください。自分は何を一番大事にしたいのかがはっきりとさえすれば、転職活動はそれに向けて動くだけになります。ふんわりした形で始めるよりも、後悔する確率が減るのは明白ですよね。

自問自答が大切だといいましたが、信頼できる第三者に相談をするのも重要なことです。以前掲載した記事『なぜ人は自分の魅力に自分で気づけないのか?』でも書きましたが、他人はあなたが気づいていない魅力を知っていることもあります。そもそも、誰かに相談をする行為は意外と侮れない行為です。面と向かって悩みを打ち明ける中で、違う価値観を取り入れることができるかもしれません。良い意味で、あなたに変化をもたらしてくれる可能性もあるのです。

周囲に相談できる人がいなかったら?

ここまで、周りの人へ相談することの重要性をたくさん書いてきました。当然、自分が仕事(会社)に何を求めているのか? 自己解決できたらそれで問題ありません。しかし、多くの人が転職に何かしらの後悔を抱いている現状を見ると、やはり周囲に頼った方が効率が良いと思うのです。
そもそも、「なぜ自分は転職に満足できなかったのか?」を、転職に成功した人に相談するのもアリです。成功者はどのような手順、思考で転職を進めたか知るだけでも今後の役に立つでしょう。
今いる会社に満足できない人は、同じ理由で転職をした(または会社に残った)人に相談をしてみてほしいです。どう決断したのか? なぜ思いとどまったのか?
これを聞くだけでも、自分の現状との照らし合わせることが可能になるはずです。
そして、転職をすることは決めたけど、環境を変えることが不安だという人も、同じような境遇を辿ってきた先輩の話を聞くのはとても有意義な時間になります。
ひとりひとりのキャリアは千差万別です。ですので、様々な観点からキャリアの話を聞ける場を提供したい。キャリアを考える上でその人に必要な情報を届けるべく、私たちは『ホンネメンター』というサービスを提供しています。当サービスでは、様々なキャリアを歩んできた人と実際に話ができます。
副業やフリーランスの話から今の仕事を辞めようか悩んでいる人まで、多種多様なキャリア相談、そしてあなたに合致する等身大の経験談を探すことが可能です。
自分に近いキャリアの人に相談をすることは、転職の際の調査不足解消にも役立ちます。あなたが仕事の悩みを抱えていたら、ぜひ利用してみてください。きっと新たな価値観を取り入れることができるのではないかと思います。


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