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読書日記

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読んだ本を紹介する「読書日記」たち。
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#読書

読書日記〜怪異は色んな場所にいる〜

 私の友人が消息を絶ってしまいました。その情報を提供していただきたいのです。  夜9時頃…

私の血族、あなたの血族〜読書日記〜

 私は、すべてを家系のせいにしてしまおうとする気持は、さらさら無い。しかし、もしかしたら…

読書日記〜失われた世代を尊ぶ〜

  かつてこの国は若く、夢と伝説にみちていた。スコット・フィッツジェラルドはその夢と伝説…

読書日記〜シャネルに学ぶ〜

 「モードは芸術ではない。商売だ」   「モードは死ななければならない、それもできるだけ…

読書日記〜さあ、不道徳の時間です〜

 この世の中には「悔悟した青春」などというものはないのです。「自分はまちがっていた」など…

読書日記〜生き様は死に様で決まった〜

 『小さなお人形の物語』にはデア・ライトが幼少期に見た夢が反映されている。  デア・ライ…

読書日記〜文豪だってアオハルする〜

 またわたくしと堀口とは新詩社の同輩であり居住も同じ方角で、校の内外でいつも一緒にいるのを見て先生(※荷風)は直木(※生方)に、あのふたりはいったい、どちらがどちらなのだとこっそり聞いたこともあったとか。先生はわたくしどもを男色関係の二人と見ていたものらしい。      第一章 永遠のニコイチ  ある夜、来客が帰ったあと、金田一と床の間の花瓶の桜の花を部屋いっぱいに敷いた布団の上に散らして子供のようにキャッキャ騒ぐエピソードは切ない。彼らの青春の終わりを象徴するシーンのよう

読書日記〜アメジストの詩人〜

 一八八六年五月、エミリ・ディキンスンは、「呼び戻されました」("Called Back")とだけ走…