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読書日記〜シャネルに学ぶ〜
「モードは芸術ではない。商売だ」
「モードは死ななければならない、それもできるだけ早く。早く死んでくれるほどビジネスにとってはありがたい」
「伝説とは名声が不滅のものになることだわ」
「シャネル その言葉と仕事の秘密」山田登世子著
私が初めて買ったハイブランドの口紅は、シャネルのものでした。
シャネルはずっと私の憧れ。
キルティングの、あまりにも有名なマトラッセのチェーンバッグ。カメリアマークに白と黒の潔い配色、シャネルスーツ。
ヴィトンよりプラダより、私の目にはシャネルの「白黒はっきりしたデザイン」が魅力的に写っていました。
好きなブランドが出来ると、その創業者も気になって来る。
シャネルが十二歳の時、母が病死。一番上の姉と共に父親に連れられて修道院に預けられます。そのまま父親は失踪。孤児となったシャネルは「自由」を求めて野心に燃えていく。
シャネルは孤児、という生い立ちをひたすらに隠し続けていたそうです。
階級社会のフランスで、女性起業家として「ブランド」になったシャネルにとって、孤児という過去は「ブランドの傷」になると判断したのでしょうか。自分の人生さえ、ブランド。
こんな生き方、並大抵の覚悟では出来ない。
シャネルが生きた時代より、今の方が明らかに自分を「ブランド」にしやすいと思います。だけど、一体どれほどの人がシャネルのような強さを持って「ブランド」になれるのだろうか。
「本物」に価値を置きつつ「偽物」の量産を認める。
古くから伝わるものが美しい、でもビジネスの為にはどんどん新しいものを生み出す。
現在の消費社会の到来を予期していたようなシャネルのビジネス論。
この感覚で、十九世紀のフランスで、女性で、孤児で、正しくたった一代で「シャネル帝国」を築いた人。
正に伝説となった人。それは恐らく光と闇、白と黒に彩られていた人生だったのでしょう。
世界で一番白と黒が似合う女性は、亡くなる前日まで働いていたそうです。
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