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171 笑いながらしゃべるやつに気をつけろ!

ときどき見かけるCM

 男二人が話しながらエレベーターに乗り込もうとする。そのとき、男は笑いながら、最近導入したサービスのおかげでいかに業務がスムーズになったのかをしゃべり続ける。笑いながら。
 笑いながら、そんなことを話すやつ、いる?
 あるいは、ニコ二コ笑いながら、「安心」を強調して、「万が一」のための保険についておしゃべりしている。笑いながら。
 正直、笑い話をしているとか、楽しい話をしているときに自然に笑みが浮かぶことはあるだろうけど、面倒なサービスのあれこれとか、実際には悲惨といっていい「万が一」のことを話すときに、笑っていられるのだろうか。
 昔、竹中直人は、「笑いながら怒る人」で一世を風靡したのだが、確かな演技力を発揮すれば、表情とセリフと感情をバラバラにして演じることも不可能ではないだろう。
 それは、つまり、「演技」の話である。演じているのである。
 やはり実社会では、あなたの前で、笑いながら小難しいことをとうとうとしゃべるやつがいたら、それは警戒アラート発生中である。その人は、あなたを騙そうと演技しているのだから。

万が一の事態を経験したくなる?

 保険のCMで多いのは、とにかく、いろいろな災厄にあたって、「保険に入っていれば大丈夫ですよ」ということを言いたいがために、わずかな金額で素敵なサービスが手に入るかのように見せる。
 そのため、地震や火災を経験した方が得なのではないか? たまには交通事故も起こしてみないといけないのではないか? そんな誤った願望を持つ人が出て来ないかと、私は心配なのである。
「安心してください、穿いてますよ」ではないけれど、入っていれば安心だと言いたい人は大勢いるらしく、少しでも多くの人からおカネを巻き上げようとしているように見える(あくまで個人の感想)。
 だけど、実際問題としては、私たちはそういう経験はしたくないのだ。新しいサービスにおカネを払わなくても、スイスイと仕事ができればそれでいい。または面倒な仕事だとしても、それに見合った収入があればいい。いやむしろ、難しい仕事に取り組むことで、会社に貢献して自分の利益を得たい。「なぜ、おれという社員がいるのに、そんなサービスにカネを払わなくてはいけないのか? そのサービスに頼るなら、おれはいらないのか?」といった疑問が浮かぶだろうから、笑ってなどいられないはずだ。
 もちろん、災害や事故などにも遭わずにすめばいい。高額な医療費を請求されることがない方がいい。
 ところが、世の中では、そういう道を示してくれる人は少なく、「困ったら相談してね」と言うから相談してみたら「このサービスに入ればいいんですよ」と言われるだけである。そして、私がサービスに入ると、相談相手もいくらかのパーセンテージで潤うわけだ。
「お互い様じゃないですか」と言われそうだが、本当にそうかな。「お互い様」を持ち出す人の中には、その人しか得しないことを押しつけてくることもよくあるからね。誰とは言わないけど。

書きかけ。


 
 
 

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