ひとり『百年の孤独』プロジェクト、はじめます〈第1回〉
突然ですが、
『本を拾う』0号
をつくってしまいました(マジ。写真は実物)。
ZINEってほどのものではなく、
それでいて読み物として成立する連続実験、
といった立ち位置の「フリーペーパー」です。
これから、この『本を拾う』づくりのプロジェクトを公開していきます!
ただ、自分の日記の走り書きの文字起こしなので、
けっこう生々しいかもです!
まずは最初の4日間から。
2024年7月6日(土)
まずいタイミングでいつもプロジェクトは始まる
いやいや、これは喜ばしい出来事なのだ。
ガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』が日本で文庫版が出版される……。
もう、何のメディアからの情報筋かは定かではなかったので、実に個人的なキャッチアップだったが、二〇二三年の冬頃にこの噂を知った。あの『百年の孤独』が文庫化? ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』ですら文庫化されていないのに?
さらに、下北沢の本屋B&Bで『百年の孤独』の連続読書会が開催される!
さらにさらに、イベントの口上文に
と書いてあった。物書きになろうとは思っていないけれど、自分の文章を読んでほしい! という欲求が高まってきた。
なんか、「かたち」として読んでいただければ……。
「そうだ、本、つくろう」
このプロジェクトの発端はここにある。
たまたま机の傍らに、
岸政彦編『東京の生活史』のダイジェストブックがあり、
「ひょっとすると、こんな冊子ならつくれるかも……?」
と思ったに過ぎない。
ただ、この時点ではアイデアが相当ごちゃついていて、四方八方から鉄砲玉が飛んでくるような混沌とした状態である。
『百年の孤独』を読む醍醐味や面白さが伝わる。
人に差し出すものであることを念頭に置く。
できるだけ、わかりやすく「寄り道」して迷子になる。
「お前何者なんだよ」
ごちゃるごちゃる。
無理か。
わからない。
やってみないと。
2024年7月8日(月)
やろう! と決めてから2日経ってしまった。
『百年の孤独』本体を1頁も読めていないじゃないか!
違う。
物語と再び出会う意味では省察しようという試みだ。
この準備に七転八倒する様を綴っていくのもアリか。
この冊子は自分のアイデアカードにメモした断片の1枚でしかない。
ちょっと、冷蔵庫に冷やしてあるペットボトルのお茶を飲む。
冷たい武藤のダージリンが旨い。
この冊子のタイトルだけ決めた。
『孤独の省察 ー『百年の孤独』をめぐる冒険ー』
ん?
2024年7月9日(火)
朝4時に起きて最初に取り掛かったのは「目次の制作」である。
昨日の夜の「出涸らし状態」ではなく、アイデアはおのずと湧き出てきた。
目次を作るときにぱらぱらめくっていると、
「頼むから、静かにしてくれ」
というセリフを拾ってしまった。
やれやれ、こんなところでレイモンド・カーヴァーに出くわすなど想像もしていなかった。これもガルシア=マルケスの洒落かと思うとなにやらにやついてしまう。
(次回へ続く)
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