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雛飾り、なんとか別の形で活かせないかなって考えた(提言)

お客様から「古いお雛飾りってどうしたらいいんですか?」と訊かれました。
これがもし
「古いお雛飾りはどう捨てたらいいのですか」
だったらすぐにお答えできるのですが、そうではなく、
「できれば捨てたくはないのだけど、置く場所も邪魔だし管理も面倒だし、できれば別の誰かに別の場所で有効活用してほしい」というニュアンスなんですね。
そして、このお客様は中古買取ショップにお雛飾りを持ち込んだそうなのですが、店から「いらない」「買い取りできません」と言われてしまったらしいのです。

■伝統文化が負の遺産になりつつある日本

こんにちは。整理収納アドバイザーをしているみつばちまぁやと申します。
家事代行の傍ら、各ご家庭の「片付け」のお手伝いをしております。

片付けという仕事の大部分は「不要なものを処分する」ことですが、たまに「まだ使えるし充分商品価値はある、しかし自分には不要である」というものの処分のご相談を受けます。

その最たるものが、これら日本の伝統文化にちなんだもの

特にひな人形などの人形類は「顔がついている」だけに捨てにくいものです。
まだぬいぐるみくらいなら処分しようと思えるのでしょうが、日本人形ともなると、「捨てたら恨まれそう」とか「買ってくれた親に申し訳ない」などの気持ちも勝るようです。

■「捨て方」は色々あるけれど、みんな「活かしたい」と思っているのでは?

ひな人形の処分方法ならいくらでも調べられます。ゴミとして出すこともできますし、お焚き上げをしてくれる寺社仏閣のURLも多数紹介されている。
しかし、どこのサイトを見てもひな人形は「決して人に譲ってはならない」「売るのも良くない」「捨てるのではなくお焚き上げ!」みたいなことばかり書いてあります。
そして「他に有効活用する方法」は載っていないわけです。

これは考えてみれば当然で、ひな人形を作って生計を立てている皆さんにとっては「なるべく多くの人に買ってほしい」のが本音。それなのに「別の人に引き継いでもいいですよ」とか「こんな有効活用法があります!」なんて言ってしまうと、少し困るわけで。
でも、一般の我々としては別の形で活かしたいんですよね…。

■「ひな人形の寄付」という方法もあるにはある

たとえば、街や地域によっては古いひな人形の寄付を募っているところもあります。送料は負担せねばならないでしょうが、こういったところでひな人形を活かしてもらうのも手かもしれません。
こうして集めたひな人形は「福寄せ雛」などの名称で、3月から1ヶ月ほど一斉にお披露目されて人々の目を賑わわせてくれます。

ただ、これは有志団体の取り組み。
浅学ながら厚かましく言わせてもらうと、そろそろひな人形の業界も、自分たちでひな人形を回収して活かす方法を模索すべきではないかな、と思うのです。

■例えば仏壇業界の取り組み

例えばお仏壇販売の大手である「はせがわ」では、仏壇の処分方法を詳しく教えてくれていますが、その中にはせがわで引き取り処分(有料)するというものがあります。

専門業者だからこその丁寧な説明と処分の流れは「この金額を支払ってもいい」と思えるものではないでしょうか。
また、引き取るだけでなく、小さい洋風の仏壇への買い替えを勧めることで新たなビジネスチャンスにしています。仏壇自体は処分するけれど、仏具だけ活かして新しい形で家に置く、ということもあるのでは。
大き過ぎるモノは継承できないけれど、このミニサイズならなんとか…という消費者の気持ちも上手くついていると思います。

■ランドセル業界の取り組み

似たような取り組みにランドセルのリメイクがあります。
使い終わったけれどもう用のないランドセル。しかしまだ使える、けど使う機会はない。そう言うランドセルを、財布や定期ケースなどにリメイクする取り組みは多くみられます。

可愛くてとても素敵なので、私もやりたいと思っているんですよね…!

■ひな人形業界ができること(提案)

ただの一個人の提案にすぎませんが、ひな人形業界がひな人形を(有料でいいので)回収してくれると、「間違いのない処分」をしてくれるのでとてもありがたいと思います。
また、お若い家族がひな人形を買う時にも「手放すときはうちの会社で責任もってお引き取りしますよ」などと声を掛けてもらえると、買うハードルもぐっと下がると思うのです。これ、重要!

また、回収して来たその人形が来ていた着物を使って「額装」にするとか。「ミニチュア」の雛飾りを作るとか、新しいビジネスチャンスを生むのではないかとも思うのです。
捨てたくないけれど、別の形で活かしたい。今のインテリアに無理のない形で継承したい。そんな消費者の希望を満たすのではないかな…。

「いやいや、お金がかかるじゃん!」と思うなかれ。
きちんと継承したいと思う人は、きちんと文化や取り組みにお金を支払います。
お金がかかるのが嫌だ、って言う人は大体ポイっとゴミ袋に入れちゃうんですよね。
ひな人形の回収&リメイク、きっと採算の取れる事業になるんじゃないかと、愚考するのですが…いかがでしょうか?

(偉そうに言っていますが、もし同様の取り組みがすでにありましたら教えてくださいませ~!お客様にも提案させていただきます)


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