見出し画像

「我が家に捨てるものなどありません!」の真相

先日はとあるお宅の洗面所の片付けに。もちろん洗面所だけでなく、キッチンと家事スペース全般のお片付けをご希望だったのですが、何しろモノが多くて。

とにかく作業を開始…する前に、お客様から念を押されました。

「我が家にあるものは全部必要なものだから、捨てるという選択肢はありません!

選手宣誓のような潔さ。毎回、この「捨てたら承知せんからな!?」という固い決意をお客様から聞かされます。
片付けテレビ番組はここをきちんと放送してほしい。
どんなお客様も「絶対に捨てるな!」という宣言から始まるんですよお片付けの現場は…!

はいはい、もちろん捨てませんよぉぉ(*´ω`*)安心してくださいねぇぇ。
というやりとりを経て、洗面所へ向かいました。

お客様なりに片づけをなさった形跡があり、どの棚にも大きめで深く白い収納ボックスが入っていました。
どんな片付け本でも「白の収納ボックスに統一すると見た目がスッキリします☆」みたいなことが書いてありますもんね。それに倣ったようです。

早速作業に取り掛かります。
「このボックス、中身を全部一つ一つチェックしていきますね~」
「え、でもこの中には新品しか入ってないから捨てるモノなんかないんですよ」
「そうですか。でしたらホコリを拭きとっておきますね。せっかくお掃除のチャンスですから!」(←こうお伝えすると、意外と皆さん簡単にボックスを明け渡してくださいます。うまい誘導を考えて日々仕事しております(笑)

片付けの基本は「お客様自身に持ち物を再確認してもらう」ことが何より重要。
あの手この手、巧みな話術でお客様の持ち物を開示してもらい、一緒に確認していくのが我々の腕の見せ所です。

正直、こちらから「これは捨てましょう」とかお伝えするケースってほとんどないです。
お客様の目の前で、「これは何ですか?」ってお尋ねするだけ。
それだけで、「捨てるモノなんかひとつもありません」と言ってたお客様が、血相を変えて「ええー!こんなもの取ってたの!?恥ずかしいっ、今すぐ捨ててくださいっ!」と仰るのです。

逆に言うと、それだけのお客様が、それだけ多くのモノ(=ゴミ)を意識せずに溜め込んでいるということ、ですよね。

1人では絶対に確認しないそれらを、私達アドバイザーが一緒に確認する。
それだけで8割くらいは片付けが進みます。

それにしても…
絶対に「我が家には捨てるモノなんかありません!」と仰るその背景って何だろう、とずっと考えていたんですが、今回その謎が少し解けた気がしました。

というのも、今回、お客様がひとつの収納ボックスを指さして仰ったのです。
「この箱の中身はちゃんと覚えてます。新品の化粧品ばかりです。だから掃除もしなくていいし、確認も不要です!」
確認だけはしてもらわないと困るので、これまたあの手この手でそそのかして(笑)確認してもらったところ、なんと約10年前に使用期限を迎えた化粧品が10本も出てきたのです!(使用期限が明記されてる化粧品で良かった…!)
もちろんお客様も絶句。
「え…この箱は新品の化粧品しか入ってないはずなのに、なんで…?」

つまり、
「この箱に収納したときは新品だった」という記憶だけが鮮明に残り、時間の経過を全く考えていない…のかもしれないな、と気づかされました。

残念ながら時間は経過するし、それに伴ってモノの価値は下がっていくものです。
私たち自身だっていつまでも若いつもりですが気付けば顔に皺がはいってたりしますもんね…(例え方が雑)

それを回避するには、

(1)モノのストックを最適化し、必要以上に貯めこまないこと。
このお客様も「いつか使う」という言い訳で大量の化粧品を買い、新品のまま洗面所に貯めこんでいたのが今回の原因でした。

(2)ストックは把握しやすいように、最適な分量を、よく見える(管理しやすい)位置においておくこと。
このお客様は白い収納ケースに入れていたために使用期限も化粧品の数も何も見えず、「これは新品用の箱だから大丈夫!」と安心しきっていたようです。

収納ボックスを買うよりも、自分の持ち物を見返す方が安上がりなうえに心地よい空間が作れます。
今回のお客様も、我々2名で3.5時間(つまり洗面所だけで7時間も片付けた)、出てきたゴミの量は指定ゴミ袋(大)3つ分でした~☀

「捨てる選択肢はない」…うん、そうですね。たくさん捨てていただきましたね…😂
お片付け、奥が深いですねえ…。





もしサポートのご意思があるなら、お気持ちだけで。別の困っている方へ直接ご寄付ください。私と私の家族は元気なのでnote経由のサポートの必要はありません(*'ω'*)