昭和よりも現代の方が組織適合スキルが求められる

昭和の働き方というと、組織の目標達成に向けて滅私奉公をイメージする。
一部の企業では、このような働き方だったのかもしれない。
ただ、当時の代表的な働き方とは言い難い。

現在ほど、誰かに雇われて働くのが当たり前ではなかったんですよね。
図1の通り、1970年は就業者に対する雇用者の割合が66.6%だった。
3人に1人は自営業者として働いていた。

図1:就業者数と雇用者数の推移(1970年〜2020年)
厚生労働省「労働力調査」を基に作成

この当時は農林業に従事する自営業者が多かった。それら以外の業種では、個人商店主、家族経営、零細工場で働く人が多かった。

意外に思われるが、70年代は自営業者として起業するケースも多かった。
会社に1度勤めて、ノウハウを得た人が独立していった。
私の祖父も会社勤めが合わず、3年で辞めて自営で町工場を起業して、家族経営で稼いでいた。

現在も起業自体は盛んだが、ITとかコンサルとか個別塾が多い。家族規模での経営できる業種がすくない。せいぜい飲食店くらい。

組織の中で働いて、お金を稼ぐのが現実的なんですよね。
先行きが読めず、人口も経済も縮小している時代に起業はリスクが高い。
だから、雇われて働く人が増えている。
ここ40年で増えている分は非正規雇用ですが。
正規雇用者の数はほぼ変わっていない。

組織で働くのが苦手な人にはハードですね。
我が強くて周囲と上手くやることや人に指示出すのが苦手だと苦労する。

正規雇用・非正規雇用関係なく、組織に適合できるスキルの必要性が高い時代である。
学校教育では個性を大切にすることが大切だと言うくせに。
組織に適合できるという前提が無いと、個性を発揮しちゃいけないのですかね。
専ら、意図して組織や他人に迷惑かけるのは言語道断だが。

働くことにおいては、個人・小集団主義⇒大集団主義にシフトしてますね。
まるで、戦時中の挙国一致体制と重なる部分があります。

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