未婚率の上昇で、若い世代ほど平均能力が高まる?

最近の若者は少子化で同級生が少ないから受験競争が楽だと言われるが、本当に楽なのかと考えさせられる。

前提として、現在の高校生と30年前の高校生で、
各世代の平均能力レベルが同じ且つ
大学合格者の定員が変わらなければ、
同級生の人数が少ない方が競争は楽である。

例えば、合格者の定員を50万人として、
200万人と100万人の世代、それぞれの世代内で競争してもらう。
合格するためには、前者は世代内で上位25%以内に、後者は上位50%以内にいる必要がある。
当然、後者の方が合格を勝ち取りやすいし、勝ち取るための労力も少ない。

ご存知の通り、大学合格者の定員はここ30年で変わっていない(むしろ若干増えている)のは事実である。
しかしながら、世代ごとの平均能力は本当にどの世代も同じなのか?
正直、同じとは思えない。
むしろ、若い世代になるほど高まっていると考えている。
適当なことを言っている訳ではない。
私なりに考えた仮説に基づいて導き出した。

結論を言うと、団塊ジュニアより若い世代は、
若いほど、自分達の親世代の未婚率が高くなるため、子ども世代の平均能力が高くなる。
言い換えると、親世代で能力が低い人間は子どもを残しづらい傾向にあり、能力が低い子どもが減った結果、子ども世代の平均能力が高くなる傾向にある。

もちろん、能力や学力が低いからといって子どもを持てないわけではない。結婚していても子どもがいないケースもある。
能力や学力は必ずしもそのまま遺伝するわけでもない。
ただ男性に関しては、年収が低いほど未婚の割合が増えるため、上記の仮説は高い可能性で成立するでしょう。

団塊の世代までは、ほぼ全員結婚できていたため、
子どもである団塊Jr世代は、能力の高い人から
低い人まで満遍なく散らばっている。(下記図①を参照)

図①:団塊と団塊Jr世代の能力分布

結婚できない人は、団塊の世代より若い世代から
年を追うごとに徐々に増えていった。
私の親世代である新人類世代(60代前半)も、15%程が未婚だから、団塊Jr世代よりも平均能力は高まる。

図②:新人類とゆとり世代の能力分布

そして、今の若者たち(Z世代)の親世代(団塊Jr)は、さらに未婚が増える。
私の世代(ゆとり世代)は、より一層未婚が増えるため、若ければ若いほど、能力の低い人が減り、今までよりも平均能力が底上げされるだろう。(下記図④を参照)

図③:団塊Jr世代とZ世代の能力分布
図④:ゆとり世代と現在の子ども世代の能力分布(将来予想)

残念ながら、世代ごとの能力を測る手段は無い
けれども、未婚者が増えている現状に鑑みると
若い世代の平均能力は上がっているだろう。

従って、少子化で競争相手が少ないからといって、競争が楽とは限らない。
人数が多くても、ライバル達の平均レベルが低ければ、苦しい競争には該当しない。
逆に人数が少なくても、平均レベルが高ければ、競争は苦しくなるのだ。少数精鋭の戦いと言っても良い。

そういう意味では、現在も30年前も受験競争の厳しさは変わらないと考えている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?