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東大生ラッパーと大雑把につかむ世界史【第4章】

 こんにちは!東大生ラッパーの法念です。前回は「第3章」で「やり直しの時代」の話をしましたね。(目次はこちら
 今回は、7,8世紀の様子をみていきます。この講座では、この時代を、「東西が輝く時代」と呼ぶことにしますよ!ではいきましょう。

東西が輝く時代(全体像)

 この時代は、アジアの東西に2つの大きな文明が発展した時代でした。東の文明は東アジア世界の隋唐帝国です。唐が建国されたのが618年ですから、唐帝国といってしまってよいでしょう。

 では西の文明はなんでしょう。これがまさに前回の最後に申し上げた、新しい世界なのです。その世界をイスラーム世界といいます。まずは、イスラーム世界がどのように誕生したのかお話しましょう。

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 地中海世界の東側では東ローマ帝国(ビザンツ帝国)、西アジア世界ではペルシア帝国がそれぞれ繁栄していました。これらの帝国はお互いに争っており、そこを通る交易路が使えない状況でした(西アジア世界にはシルクロードが通っていましたね!)。そのため商人たちは、まわり道として紅海(アラビア半島とエジプトの間!)を使うようになります。

 それにより、アラビア半島の西側の沿岸が経済的に発達します。経済的に発達すると、金持ちと貧しい人の格差が広がりますね。そのような中この地に登場したのが、平等を訴えるイスラームという宗教です。イスラームは一気に広まって、地中海の南側(つまり北アフリカ)や西アジア世界まで勢力を広げます。

 こうして、イスラーム世界と東アジア世界が輝いていたのがこの時代の特徴でした。イスラーム世界のイスラーム帝国と東アジア世界の中華帝国(唐王朝なので唐帝国といいます!)は、お互いに勢力を広げ、中央アジアのあたりで衝突もしています。

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東西が輝く時代(それぞれの世界)

 東アジア世界では、隋唐帝国が栄えました。隋唐帝国は、中央ユーラシア世界のトルコ帝国も服従させました。隋唐帝国の首都の長安は、さまざまな宗教の寺院が建てられるなど、国際色豊かな文化が育まれました。西の方にも勢力を伸ばし、上にも書いたようにイスラーム帝国とも衝突しています。唐の周辺では、唐が後半に少し衰退した際、チベット帝国(吐蕃ともいいます)とウイグル帝国が勢力を持ちました。

 中央ユーラシア世界では、トルコ帝国が隋唐帝国に服従しました。一方、その後唐が衰え始めると、唐の北側にはウイグル帝国、唐の西側にはチベット帝国がそれぞれ勢力を持ちました。三つどもえのような状況になるわけです。

 地中海世界は、ぐちゃぐちゃの時代にすでに東西に分裂していましたね。前回の「やり直しの時代」で、東ローマ帝国が一時的に西側に勢力を回復しました。しかしそれも一時的なもので、その後はかなり領土を縮小させてしまいました。もう「ローマ帝国」と呼べるほど、大きな領土を持っておらず、むしろギリシア的な独自の文化を発展させていたため、これ以降「ビザンツ帝国」と呼ぶことにします。
 一方、地中海の北西にはゲルマンがいくつか国を作っていました。その中で一番力を持っていた王国、フランク王国だけおさえておきましょう。
 さて、イスラーム世界が地中海世界の南側を支配したことで、「地中海世界」としてのまとまりで捉えることが難しくなりました。よって、これ以降、この講義では「地中海世界」としてまとまりで捉えることはしません(あくまで「この講義では」の話ですよ!)。
 
 イスラーム世界は、アラビア半島に登場して以後、急速に勢力を伸ばしました。特に8世紀からイスラーム世界を治めたアッバース朝という王朝をおさえておきましょう。アッバース朝は、中央アジアで唐帝国と衝突した王朝ですよ。
 イスラームを信じる人々をムスリムとよびます。ムスリム商人(ムスリムである商人)は海の道にも乗り出し、南アジア世界、東南アジア世界、さらには東アジア世界にまで行って交易をしました。

 西アジア世界は、ペルシア帝国が繁栄していましたが、イスラーム勢力によって滅亡してしまいます。これ以降、西アジアはイスラームが定着し、イスラーム世界の地域として扱いますので、(もちろん西アジア世界として捉えることも重要ではありますが)この講義では「西アジア世界」としてまとまりで捉えることはしません。

 南アジア世界は、前回も述べたように、バラバラの状態が続きます。しかし、海の道は繁栄を続けており、特にムスリム商人などがやってきて交易をしていました。そのためいくつもの国が、交易で栄えていました。南アジア世界からもインド系の商人が交易に乗り出し、東南アジア世界や東アジア世界と交易しました。

 東南アジア世界は、このような海の道の発展により、さまざまな国が発展しました。中でも特に、シュリーヴィジャヤが繁栄しましたので、おさえておきましょう。

 今回は以上になります。こまかい「世界」の話は高校生の方だけで大丈夫ですよ! イスラーム世界が登場して、唐帝国と共に繁栄したこと、そして海の道が発展したことをおさえておきましょう!
 では、最後に「やり直しの時代」の復習ラップを聴いて復習しましょう!
https://youtu.be/Jd_cGDADbvQ

 次回、第5章は、今回「輝いていた」イスラーム帝国(アッバース朝)と中華帝国(唐王朝)がそれぞれ解体にむかうお話をします。お楽しみに!

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