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兄弟の「まんまる」

〜次男編〜

夏休み。
家でキャッチボールやバッティングの練習をする次男は小学校一年生。
こどもの頃、野球をやっていたと言う祖父と、四年生の兄と共に。

ある日の食卓。
楽しそうに話す次男。

「ボクの夢は、まんまるホームランを打つこと!」

祖父と兄が高校野球を観ながら話す「満塁ホームラン」が彼には「まんまるホームラン」と聞こえていた様子。

それは、例えば「二重丸」とか「花丸」とか。
よくできました!という場面でもらえる。
「まんまる」なホームラン。
よくやったね、がんばったねと言ってもらえるホームラン。

そんな次男の頭の中を想像して。
どうしようもなく愛おしくなって。
「まんまるホームラン、打てるといいねー。」
と頭をぐしゃぐしゃに撫でまわす夜。


〜長男編〜

夫はよく月を見る。
夫の両親も見る。

月を見る習慣があまりなかった私も、結婚して数年経ち、夫の両親とも近くに住むようになってからは月を見るのが習慣になった。

「まんまるやなー。」

満月を見ては誰かしらがそう言い、「まんまるや。」「ホント、まんまる。」と誰かが言う。

ある日。
まだやっと言葉が話せるようになった長男が、プクプクの手で指さす。

「まんまる。」

それは満月ではなく三日月で。
あまりにも周りの大人が満月を見て「まんまるまんまる」と言うので彼は月を「まんまる」だと思った様子。

夜空にぽっかりと浮かぶ月を、どんな形であれ「まんまる」と指さす長男に家族みんなが目尻を下げる。

「ほんと、まんまるやなー。」

「まんまる出てるなー。」

いつか彼が、あれは「まんまる」ではなく「月」と言うのだと気づくのだとしても。

幼い彼の、夜空をさして「まんまる」と言った、あのむくっとした指。

月を見ればまるで昨日のことのように思い出せるのだ。

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10日は満月でしたね。

月がきれいだと我が家では必ず長男が月のことを「まんまる」と言っていたエピソードが出ます。

そして次男が夏の終わりに「満塁ホームラン」を「まんまるホームラン」と言ったこと。

こどもの言い間違いのなんとも言えない可愛さ。
そしてまんまるという言葉の響き。

なんだか平和だなあと。
書き残したくなりました。


みなさんは満月ご覧になりましたか?

まんまるでしたか?

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