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サブスクは、ホール・ニュー・レベルに突入か。北欧市場

この記事は、ディズニーソングのアラジンのテーマ「ホール・ニュー・ワールド」に掛けて、上手い事言いたいだけだと思って読んだのですが、何気に興味深かったので、ご紹介。

北欧の市場調査の記事は、つい読んでしまうのです。今となっては、具体的に証明する手立てがないのですが、昔、エンターテイメントにおいて、「北欧と日本市場は、成長の仕方が似ている」と聞いた事があり。それからです。

Transactional Video Market Returns to Growth in Nordics: Study (The Hollywood Reporter 01:50AM PDT 05/22/2020 by Georg Szalai) ノルウェーでは、課金ビデオの市場が伸びてしまってますわ!

北欧(スウェーデン、デンマーク、ノルウェイ、フィンランド)市場も、日本と同様に、SVOD(サブスク)市場が成長中。その理由としては、①ブロードバンドのインフラが整備されている、②英語能力が比較的高い、③可処分所得が高い!?から、というもの。ただ、面白いのは、Futuresource Consultingによると、北欧の消費者は、複数のサブスクサービスに加入しているという現象だけではなく、珍しい事に、課金ビデオ(DVD、Blu-ray、デジタルの、購入もしくはレンタル)市場でも成長が見られるとのこと。日本の場合、レンタル店が強すぎて、エンタメ業界では、フィジカル(DVD、Blu-ray)かデジタルかという区分けですが、結構他国では、Subscription(サブスク)型か、Transactional(レンタル・購入など、デジタルかフィジカルかに関わらず、都度課金)型で区別し、比較されております。

最近の傾向では、都度課金のビジネスは、SVODの成長に押されてシェアを減らしているというのが、各国で起きている現象なのですが、北欧では、4%も成長していて、しかも、2年連続のプラス成長のようです。通常DVDやBlu-rayといったフィジカルの落ち込みが激しい為、Transactionalは押されてしまうのですが、それを賄うがごとく、デジタルの課金(TVOD・EST)サービスが顕著に伸びているようです。AppleとViaplayという二大サービスの業績に頼るところが大きいみたいですね。とはいえ、SVODサービスは市場を席捲していて、ホームビデオのに関する消費のうち、80%を占めているとのこと。現在では、Netflix、Viaplay、HBOが主要なサービスのようです。ただ、これは2019年の数字ですから、今年は大きく変わるのでは、という予想です。理由は、この既存サービスに、昨年立ち上がったAppleTV+、更にはDisney+という新規参入各社によるものです。これにより、北欧のSVODサービスは、「ア・ホール・ニュー(今だ見た事のない)・レベル」に上がるだろう…と、無理やりディズニー・ソングに絡めてきておりました。

日本でも同様に、SVODのビジネスが成長しているとは感じます。昨今の自粛により、レンタル店に行くよりも、家で初めてデジタルサービスを利用してみたという人も多い事でしょう。ただ、ホームビデオビジネスが、かつてのレンタルブームほど、家庭のライフスタイルに入り込んでいるように感じないのです。それは、やはり「目に見えたヒット」が欠落しているから、なのでしょう。映画だろうが、ドラマシリーズだろうが、日本のあらゆる世代から、時間をがっつり奪うようなヒット作が連発してこそ、デジタルサービスの成長に繋がるのだろうと思います。今こそ、日本のデジタルサービスが連携し、かつてのレンタルブームのように、エンターテイメントを必須の存在として欲しいものです。

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