見出し画像

CRMツールは中小零細企業の経営活動にどう役立つか考えてみた

こんにちは!クロスコムの本田です。

今回は、顧客管理ツールのCRMが、中小零細企業の経営活動にどう役立つか考えてみたので、お伝えしていきます。※さまざまなCRMツールがある中で、この記事ではtoBビジネスで使用するCRM(HubspotやZoho)の一般項を前提としてお伝えします。

CRMというコトバはあまり馴染みがないかもしれませんが、和訳すると顧客関係管理(Customer Relation Management)という意味です。よく目にする光景として、Excelやスプレッドシートで、顧客やリードの情報を管理されている経営者も多いと思います。その方法も、顧客管理の役割を果たしているといえます。

「じゃあ、わざわざ専用のCRMツールを導入する必要がないじゃないか」と思うかもしれません。確かに、たとえば顧客数がまだ10件程度であれば、Excelやスプレッドシートでの管理で手が回るので、事足りるでしょう。むしろ、CRMツールの料金次第では、余計な導入・運用コストが掛かるので、必要がないかもしれません。

しかし、あえて言わせていただくと、顧客数が膨大になって管理が大変になる前にCRMツールを導入することで、結果的に長期的な利益捻出に貢献する体制を構築できます。なぜか?その理由を考えたのでお伝えしていきます。

※CRMツールは、ただ導入しただけでは効果を発揮しません。運用し続けることで効果を最大化できるので、「導入した、さぁ利益が増えるぞ!」なんて甘い話ではありません。


0.そもそもなぜCRMツールを使うべきか?

CRMツールを導入する理由は、ずばり業務効率化と売上UPの両側面で経営活動に貢献できるからです。中小零細企業の経営課題として大きな「収益性向上」「人材不足」、CRMツールの導入&運用で大きく改善できると確信しています。

また、この業務効率化と売上UPとは別で、CRMツールはすべての顧客情報を一元管理できること、また顧客へのコミュニケーションや打ち合わせなどのアクティビティを、関与者全員が同じ画面で把握することもできます。Excelやスプレッドシートでバラバラに管理するのではなく、1つのツールですべての顧客情報を管理できるという点でも、情報共有の効率化ができます。

ただし、CRMツールを情報共有の用途だけに使うのは非常に勿体ないです。既存の顧客情報のデータを分析することで、ペルソナや商品価値を再解釈する。そんな顧客情報を起点にマーケティング施策を改善するデータドリブンマーケティングの基盤として、CRMツールは非常に良い費用対効果を発揮できます。

もう少しポイントを絞って書いていきます。

1.顧客体験をパーソナライズし、成約率を上げる

CRMツールを各マーケティング施策と連携、もしくはマーケティング活動すべてを管理することで、導線全体(集客~再購入)の顧客体験をパーソナライズすることができます

例えば、広告経由で獲得したリードへサービス紹介に関するメールA・B・Cそれぞれを別の日に配信したとします。その中で、メールAに同封した資料や優良記事だけに反応しクリックした場合、「このリードはメールAで訴求した○○に興味を持っているのかもしれない」という仮説を持つことができます。

その仮説の答え合わせとして、今度はメールAで訴求した○○に関する事例集を記事で紹介してみます。そうすると、そのリードはメールBにリンク付けした記事も読んでくれました。つまり「サービス事例集の記事まで読んでくれるということは、いま導入を検討しているかもしれない」と考え、今度はサービス導入の検討で悩んでいることについてヒアリングする日程調整の案内を、、、、。


と、こんな感じで顧客のステータスにあわせたパーソナライズな案内を継続し購入へと誘導していくことができる、というわけです。もしこのリードが、メールAではなくBの記事について読んでもメールAの事例集を送っていたら、反応は変わっていたでしょう。企業視点で考えると気づきづらいですが、顧客からすれば、興味ないものを毎回メールで送られてきてもほとんど開封しません。

上述内容はマーケティングオートメーション(MA)の機能でもありますが、顧客1人1人の反応や関心毎にあわせてコミュニケーションを変える。そうすることで、顧客から「おっ、これ興味あったんだよ!」という喜びの感情を引き出し、各々にとっての「良い体験」をしてもらう。これが、パーソナライズな顧客体験であり、シームレスに成約へ繋げるCRMの役割だと考えます。

2.優良な顧客を明確にし、マーケティング施策の精度を高める

またCRMツールを活用する第一歩として、予めいくつかの顧客情報を用意する必要があります。例えば以下のデータなどが挙げられます。

■CRMツールで活用する顧客情報
・売上データ(売上金額、販売商品など)
・属性データ(会社名、担当者名、業種など)
・マーケティングデータ(広告やSNSなど集客媒体ごとの施策成果)
 など

これらのデータを1つのファイルにまとめる程度であれば、Excelやスプレッドシートでもできるでしょう。しかし、これらの顧客データから、効果的なマーケティング施策の根拠と本当のロイヤル顧客を言語化することはできるでしょうか?

CRMツールでのデータ分析イメージ図

CRMでは、これらの顧客データをクロス集計やセグメント分析することで、今まで見えなかった新しいデータやを創り出したり、見込みの高い顧客像を洗い出すことができます。そして、その分析データから優良な顧客や費用対効果の高い施策を理解することで、マーケティング施策の意思決定に明確な根拠と精度を与えてくれます

今まで経験や勘でマーケティング施策の改善を行っていた企業も、データという客観的かつ明確な指標をマーケティング活動に正しく活用することで、長期的な売上づくりをアシストしてくれるというわけです。

実際データ分析って結構難しいですが、広告運用にしろメール配信にしろ、あらゆる施策の費用対効果が数値化されていく中、正しくデータを読み適切な意思決定を下し、ビジネスを改善していくために、データ分析はもはや必須のスキルになっています。その分析データを売上づくりへつなげるために、まずはCRMツールに顧客情報を集めること、ぜひやってみてください。

3.定型業務を自動化し、時間・手間を削減する

これはマーケティングオートメーション(MA)の機能と重複していますが、普段の業務の中で、リードへのメール送信やオンラインミーティングの日程調整、商談の議事録共有などを手動で行っていませんか?CRMツールでは、このような定型業務をすべて自動化してくれます。

例えば、LPで登録フォームを送信してくれたリードへ、請求資料を添付したサンクスメールを送信する。それだけではなく、そのまま詳しいサービス紹介の面談も、日程調整用のリンクを貼り付けるだけで、あなたのカレンダーに自動で面談日時が登録されるようになります。

今では無料で日程調整できる専用ツールも多くありますが、CRM画面内にアクティビティログを残すことで、引き継いだ営業担当が、いつどの担当者が接触したのか、また商談でどんな話をしたのかを確認することもできます。

「●月●日に担当の●●と、▲▲についてお話させていただいたかと思います、その節は○○様は□□について課題を感じているとお伺いしています」

あなたも購入者側としてサービスを検討しているときに、商談でこんな言葉を担当者から受けたことはありませんか。CRMツールでは、このようなリードとのアクティビティログを簡単に把握することができます。そこで担当者から「○○の記事をご覧になっていたかと存じますが、もしかして今○○に対して課題を持っていらっしゃいませんでしょうか?」と言われるだけで、前のめりに話を聞く姿勢になりませんか?

少し話が逸れましたが、このようにCRMは、あなたがメンドクサイと感じている定型的な業務をほとんど代わりにやってくれます。あなたは定型業務に時間をかけず、頭を使う仕事に時間をかけることができるというわけです。

CRMは、データドリブンマーケティングの起点になる

かいつまんでお伝えしましたが、以上が中小零細企業にとってCRMツールがどう経営活動に役立つかについてでした。

これは私のいち意見ですが、CRMはデータドリブンマーケティングの起点になる、いわばマーケティング施策のハブ的な役割を担っていくものだと考えています。

マーケティング活動の本質はいかに顧客に選ばれる必然をつくれるか?です。つまり、商品を購入後も継続的に購入する理由を顧客に持ってもらう必要があるわけです。顧客接点を持つ各マーケティングツールをそれぞれの画面で管理しているようでは、顧客情報を統合できず顧客体験の一貫性が欠けてしまうリスクもあります

そこで、マーケティング活動の起点としてCRMツールを導入することで、顧客情報を一元管理しつつ、あらゆるマーケティング活動のアクティビティを関与者全員で把握することができます。顧客体験を向上させるには、まず関与者全員が顧客とのコミュニケーション全てを把握することから始めなければなりません。

そして顧客体験向上の先には、蓄積されたデータを起点にマーケティング活動を最適化するデータドリブンマーケティングの実現が、企業の収益性向上に大きく寄与する、そんな風に私は考えています。これは大企業、中小零細企業、関係ありません。自社も頑張らないとです。

それでは、最後に記事の纏めを書いて終わりにします。

■記事のまとめ
CRMツールを導入することで、
・業務効率化と収益性向上ができる
・パーソナライズなマーケティング施策の打ち手ができる
・データを起点に、優良顧客を明確に定義できる。
・定型業務を自動化できる

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?