プレイリスト「ほなみこんぴ初冬2020」について

こんにちは。打楽器奏者の木川保奈美です。

趣味でApple Musicに「ほなみこんぴ」という季節毎のプレイリストシリーズを作っているのですが、おかげさまで毎回、たくさんの方に追加して一緒に楽しんでいただけているようで嬉しいです。

今回は、寒くなり始めた今こそ聞いてほしい「ほなみこんぴ初冬2020」のご紹介です。

それぞれの楽曲を選んだ理由について書いてみたので、合わせて読んでみてください。

①Otra Latitud -Guillo Espel
アルゼンチンのギタリストGuillo Espelのカルテットアルバムより、冬の始まりを感じさせられる華やかな一曲。チェロ、ヴィブラフォンが入った編成は日本では馴染みがないが、フォルクローレではよくあるのだそう。本当は同じアルバムにTarde de Invierno(冬の午後)という曲もあったので迷ったのですが、自分の感性を優先しました(笑)

②Treeing - Emi Makabe
エッジの効いた三味線の音色が変拍子のコンテンポラリージャズに絶妙にマッチ。日本語の透き通るような発音を活かしたスキャットも美しい。もしかして歌詞があるのかしら?これまた絶妙に聞き取れないので、外国人が聞く日本語はこんな風に聞こえるのかもしれない!

③Sem fronteiras - Dani and Debora Gurgel Quarteto
私の推しバンドDDG4より。ドラマチックなピアノソロから始まり、だんだんと7拍子のグルーヴが構築されていく心地よさをぜひ味わってほしい。難解なようで歌心ある絶妙なテーマを楽器のようなDaniの声が彩る。ドラムが乾いたような独特の音色にチューニングされているのも印象的。

④14 graus de samba - Michael Pipoquinha
ブラジルのベーシスト、Michael Pipoquinhaのアルバムより。アコーディオンの音色が熱くなりがちなサンバを軽快にまとめている。かつて天才ベース少年として有名だったが、単にバカテク奏者で終わらず大人になっても自分の路線を確立させる稀有な奏者。(ちなみに名前を直訳するとマイクポップコーンになる…偶然?)

⑤Vento bom - André Mehmari
直訳すると「良い風」というタイトル。静かながら北東部のグルーヴが効いている。この曲は様々なシンガーがカヴァーしているが、突き刺すような空気の今の時期はLuciana Alvesの真っ直ぐな声が特徴的なこちらのバージョンを聴きたくなる。

⑥Saci - Davi Fonseca
ブラジルの秘蔵音楽シーン、ミナスジェライス州から実験的なアンサンブル。バスクラリネットの強いグルーヴに始まり、硬めのマレットで叩いたヴィブラフォン、勢いのあるフルートと、予想もつかないストーリー展開にハラハラさせられっぱなしで、まるで一本の映画を観ているよう。

⑦Parador 2020 - Tó Brandileone e João Cavalcanti
ギターとアコーディオンだけのアコースティックな編成。合わせにいこうとしていないのに何故かぴったり絡み合う二人の男性ヴォーカルはまるで自宅のリビングで歌っているかのようで、なんとも気持ちの良い一曲。

⑧Nehanda- Anne Paceo
フランス人ドラマーAnne Paceoは、作曲とヴォーカルも自ら担当する才女。アフロビートをベースに電子音やサックス、拍手が組み合わさり重厚感のあるグルーヴが作り出されていく。リズムの重なりの面白さは流石ドラマーの作品といったところ。

⑨Tudo bem - Amilton Godoy
7分近くにも及ぶピアノソロの長い物語が始まる。ちょっと良い店のBGMで流れていそうなバラードから、強くて大胆なボサノヴァに!色々大変だった2020年。うまくいかない日もないがしろにされた日も、音楽そのものの価値は変わらなかった。私はそれでTudo bem(オールオッケー)です。

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