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私は、息子に甘えて、不誠実だった。

私は息子の涙を見てようやく、息子に甘えていると、気づいた。


間に合うつもりだった。
いや、少しぐらい大丈夫だと甘い見積もりをしていたことは、この際認める。

今日私は、自分のための買い物があって、ある場所に出かけた。いわゆる、ショッピングセンター。
その場所には、これまで家族で車で行ったことはあったけど、一人で電車で行くのは初めて。1時間弱かかる。 
娘のお迎えは14時だから、それまでには帰ってこなくては、と思っていた。

それが家を出てから、気がついた。
そうだ。今日は小2の息子が4時間授業で13時半過ぎには帰ってくる日だった、と。

それでももう出かける気満々で、後戻りはできない。
バスに乗り込み、電車に乗り換え、さらに歩いて目的地に到着し、目的の目的のお店で満足に買い物をすることができた。

ただ、時間がかかりすぎてしまった。
本当だったら12時半過ぎには、お店を出発しなければならないのに、私が優柔不断で何を買うのかをなかなか決められずに、結局お店を出たのが13時10分頃。

どれだけ調べても、息子が帰ってくる時間には間に合わない。

私には、甘えがあった。

1つは、私の実家がすぐ近くにあること。
これまでも私が息子の帰宅時間を完全に勘違いしてお友達とランチをしていたら、実家にいる家族から「息子くん、うちにいるよ」と連絡が来たことがあった。
だから今回も、「とりあえず実家に連絡をしよう」と LINE をしておき、息子もきっと実家を頼るだろうと思っていた。

もう1つは、息子なら大丈夫と、勝手に考えていたこと。
私が息子より遅く帰ってしまうことが、これまでもあって、の時もその時も特にすごく気にしている様子はなかった。
お友達と帰ってきて、家の周りでふざけて遊びながら待っていることもあった。
息子なら私が少し遅れて帰っても、きっと大丈夫だろうという勝手な思い込みをしていた。


でも、それは違った。
それは私の独りよがりな、自分に都合の良い考えで、息子のことを置き去りにしていた。


私が大急ぎで帰ってきた時、息子は家の前にいた。ヘルメットをかぶってしゃがみ込み、ノートの切れ端に鉛筆で何かを書いていた。

「遅くなってごめんね。ごめんね」

何度も何度も謝る私をよそに、息子は怒りもせず悲しみもしなかった。
何を書いていたのか見てみたら

ままへ
帰ってこないから、こうえんにいってくるね
4じまでには帰ってくるね
○○より

と書いてあった。

涙がにじんできた。(毎日にじんでますね、最近。)

私が勝手に何も言わずに帰ってこないだけなのに、怒りもせず泣きもせず、冷静に置き手紙を残して出かけようとしてくれたことが、本当に申し訳なくてでも嬉しくて、込み上げてくるものがあった。

それから息子は、お友達と約束をしている公園へ、自転車で出かけて行った。

私が幼稚園から娘を迎えて帰ってきて、しばらくすると、息子が予定よりもだいぶ早く帰ってきた。

「どうしたの?」と聞くと、一緒に公園で遊んでいるお友達が、ずっと二人で交代でゲームをしていてつまらない、という。

だから、俺もゲーム持ってくんだ、と言って子供部屋からゲーム機を持ってきて、出て行こうとする。

いまどき公園にゲームを持っていく子供たちは少なくないと思うが、息子には初めてのことだった。
どうしても心配で、絶対なくさないでね、大事な高価なものだからね、と何度も声をかけて、自転車の振動で壊れないようにタオルでくるんで、カバンに入れさせた。

そして出かける直前になって、息子がもう一度言う。
さっきよりも、どこか弱々しい。

「ずっと2人で交代でゲームしててさ、つまんないの」

息子の『つまらない』という言葉を聞いて、私の口から不意に「つまんないなら、行かなくてもいいんじゃない?」と、軽く言葉が出た。

すると、息子の様子が変わった。
もっと弱々しくなり、もう泣きそうな声で言った。

「…つまんないんだもんー…」


そのまま、泣き出してしまった。


息子が、お友達との遊びのことで、こんな風に悲しんで泣き出すことは初めてだった。

いつもお友達の組み合わせは違うみたいだし、たまたま今回はゲームが好きなお友達同士だったのかもしれない。

ただ、息子が泣き出すまで心を弱らせてしまったのは、私の行動が影響しているのかもしれない、と思わざるを得なかった。私の考えすぎで、自意識過剰かもしれないけれど。

息子の涙を見て、私は、息子に甘えていたと改めて反省した。

息子なら、私がちょっとこうやって送れて帰って、その時はすごく息子が怒ったり、悲しんだり泣いたりしても、最後には許してくれる。
私は息子に嫌われないから大丈夫、という甘えが、確実にあった。

私がそうやって息子に甘えた行動をとったことで、息子はきっと寂しかったし不安だっただろう。
その不安を抱えたまま公園に行って、友達からも少しないがしろにされたように感じて、もっと不安になってしまったのではないかと思う。


これが友達だったら、仕事仲間だったら、そのうち愛想を尽かされ、見放されるだろうことを、いちばん大切な家族に対してやっているなんて、あまりにもお粗末だ。
不誠実で、踏みにじっていると言われても仕方がない行動だった。

愛想を尽かされる前に、次の行動から、気をつけよう。


この記事を書いていたら、自分の行動のふがいなさにたまらなくなって、改めて息子に謝罪した。

「今日は、遅く帰ってきて、本当にごめんね。」

息子は、なんてことない顔で、こう言った。

「うん、いいよ。そんなにしょんぼりした顔しないでいいよ」

優しい子だ。
ありがとう。



では、今日はこの辺で。

最後までお読みいただきありがとうございました!



hona


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