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「小説的な部分を優先したほうがいい」門井慶喜 オール讀物「歴史時代小説書き方講座」

歴史時代小説ジャンルに特化したオール讀物新人賞の選考員を務める、安部龍太郎、畠中恵、門井慶喜の三氏による「歴史時代小説書き方講座」がオンラインで4月9日(金)から三夜連続で開催され、最終日の11日(日)は、2018年『銀河鉄道の父』で直木賞を受賞し、『東京、はじまる』『銀閣の人』など歴史小説のほか、評論やエッセイも精力的に執筆する門井慶喜さんが講師を務めた。

これまでの回とは違い、大阪のお仕事場からの中継で実施した。

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冒頭では、デビューまでの紆余曲折を振り返った。大学生の頃から自然と作家を志すようになったという門井さん。2000年には初めての応募にも関わらず、第39回オール讀物推理小説新人賞の最終候補に残った。惜しくも受賞は叶わなかったが、手応えを感じた門井さんは、仕事を辞め、執筆に専念するようになる。退路を断ち、複数の新人賞に応募する日々を過ごすが——受賞まであと一歩届かない苦悩の数年間をどのように過ごしたのか。

門井さんがデビュー前から実践しているのが、小説で取り上げる人物にまつわる“年表”と“年齢早見表”の作成だ。『東京、はじまる』の執筆時、実際にご自身が作ったエクセル表を見せながら、その便利な使い方を示してくれた。

さらに、歴史小説を書くにあたり多くの人が悩むのは、史実とフィクションのバランスだ。この問いについて門井さんは「小説的な部分、すなわちフィクションを優先したほうがいい」と断言。現代語を歴史小説にどう入れ込むか、という難題にも、“ある秘策”を提示するなど、すぐにでも取り入れられそうな具体的な手法が次々と繰り出された。終了後には、視聴者から「門井先生の長年にわたり修身なさった軸を惜しげもなく与えてくださり、感動しました」「プロの方は思考整理のためにこんなふうにされているのかと、小説を読むだけでは見えてこない部分が見えた」などの意見が届いた。

講座の後半には、門井さん自らカメラを回し、書斎を紹介。ずらりと並んだ本棚に収められた資料を見せながら、それらとの向き合い方や整理方法を説明し、贅沢な時間となった。

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今回の門井慶喜さんによる「歴史時代小説書き方講座」は見逃した方でもアーカイブ映像を視聴することは可能。希望の方は(https://bunshun-allyomimono03.peatix.com/)より購入ができる。また、初日の安部龍太郎さん、2日目の畠中恵さんのアーカイブ映像もご覧になりたい方はお得な通しチケットもこちら(https://bunshun-allyomimono04.peatix.com/)で販売中。アーカイブ映像は6月20日(日)まで視聴可能となっているので、申し込みはお早めに。

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