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女王の教室(2005年07月22日)

2005年07月22日 記

 小学6年生の時に、ひどい「いじめ」にあった。クラスメイトからではない。担任の女教師からである。はっきりとした理由はいまだにわからないが、思い当たるところはある。転校生の新参者だった僕が、新学期早々のテストでクラスのトップを取ってしまったのである。これは別に僕の頭が飛びぬけてよかったというわけではない。ほんとにたまたま、である(現にそのクラスには僕より成績のいい奴が山ほどいた)。そのクラスは5年生からの持ち上がりだったので、担任としてもそれなりに愛着があったのかもしれない。そこでいきなり僕がトップを取ってしまったので、プライド(かどうか知らないが)を傷つけられたと思ったのだろう。

 それから一年間は本当にひどいものだった。まず「髪が長い」と因縁をつけられた。前の学校でそんな注意を受けたことのない僕はひどく面食らった。だいたい小学校の校則に頭髪規制があったわけではない。それなのにただひとり、注意を受けた。授業の時にいくら問題に正解をしても「できればいいってもんじゃない!」と必ず言われた。さすがに登校拒否になりかけたが、まだそうした言葉もない時代だったから、どうしようもない。登校しない児童=問題児だった。それでも夏休みの出校日はこわくて一日もいけなかった。案の定、2学期の初めに、全員の前でこっぴどく怒鳴られた。

 ようやく卒業の日を迎えた時は心底、ほっとした。通知表には担任から「ようやくきみのいいところが見え始めたのに、卒業してしまって残念です」と書かれてあった。子供ながらに、なんて白々しいと感じた。もう25年ほど昔の話になるわけであるが、この教師に対する憤りはいつまでも消えない。今でもどこかで出会ったら、ぶん殴ってやりたいと本気で考えている。すでに死んでくれているなら、なおいい。

「女王の教室」という天海祐希主演のドラマが話題を呼んでいるようだ。一度も見たことないので詳しいことはわからないが、天海扮する阿久津真矢の常軌を逸した「鬼教師」ぶりが賛否両論となっているらしい。番組HPの掲示板には、放送2話の段階で1万件を超える「打ち切り派」「容認派」の声が殺到したというから、うがった見方をすれば、“好調なスタート”を切ったともいえそうだ。実際の視聴率がどうなのか知りたいところである。見ていないのでドラマの内容について言及することはできないが、これだけ反響が大きいというのは、「教師」というモノが、人の人生に必ず関わる稀有な職業だからだと改めて思う。

2024年03月28日 付記

 わりと最近までこの女教師のことは恨んでいたと思う。子どもの頃に受けた虐待(と呼んでよいと思う)は、ほんとうに根が深く、一生のトラウマとなる。近年はさすがにこうした暴力教師はいなくなっているよう。むしろ今は、教師の長時間労働やストレス過多などが問題になっている。日本の教育に関しては、もっと根本的な見直しが必要だと思っているのだが、なかなか進んでいない。軍隊を模したようなやり方は、いくらなんでも改善されるべきだと思うのだが。

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