中島駆

アマゾン・ジャパンのオープン時(2000年)より四年ほどエディターレビュアーを務める。以降、真山仁先生『ハゲタカ』旧版、福井晴敏先生『機動戦士ガンダムUC』、薬丸岳先生『闇の底』などの文庫解説の執筆等、書評ライターとして活動。現在は本好きな隠居。56才。プロフ写真は2022年撮影

中島駆

アマゾン・ジャパンのオープン時(2000年)より四年ほどエディターレビュアーを務める。以降、真山仁先生『ハゲタカ』旧版、福井晴敏先生『機動戦士ガンダムUC』、薬丸岳先生『闇の底』などの文庫解説の執筆等、書評ライターとして活動。現在は本好きな隠居。56才。プロフ写真は2022年撮影

マガジン

  • 失われた二十年を求めて

    mixiで2005年から書いている日記を再掲載。およそ20年後の令和の時代に追記を加えつつ改めて振り返ります。失われた二十年の記録。

  • 失われた本を求めて

    ここ二十年で断捨離して失われてしまった本たちを紹介します。本って捨てちゃだめだよ。絶対後悔します(笑)

最近の記事

UBASUTE(2005年07月28日)

2005年07月28日 記  また不審者が出た。子どもはこれで4度目の遭遇となる。さすがに心配になってきた。白いミニバンタイプの車に乗った男で、道端で遊んでいる子どもたちを睨みつけていくのだそうだ。わざわざ車のスピードを緩めて、である。平日の昼間ということで、どうもやはりマトモな大人ではないようだ。てっぺんハゲの白髪交じり。40代から50代ぐらいということであるが、もうすこし年は上かもしれない。なにか訳のわからないことを叫んだり、舌打ちしたりして、去っていくのだという。冗談

    • 5階で停まる(2005年07月26日)

      2005年07月26日 記  女が堕ちたのだと聞いた――数年前のことである。真偽の程は定かではない。けたたましいサイレンの音に誘われて表に出ると、向かいのご主人がいた。彼は通路の壁から身を乗り出すようにして、階下を見おろしている。思わず僕も同じように身をかがめて、その先に視線を向けた。地上では、エレベータ脇の小庭に救急車が停まっているのがうかがえる。向かいのご主人に話を伺うと「子供が落ちた」と言う。はたして、目を転じると、ぐしゃぐしゃになった自転車らしきものがぼんやりと見え

      • 女王の教室 その2(2005年07月24日)

        2005年07月24日 記  初めて「女王の教室」を観た。結論から言えば「観る価値のあるドラマ」だと思う。昨日は第4話だったのだが、見る限り、それほど女教師の行動が「過激」とは思わなかった。もっと体罰とか虐待とか、びしばしやってるのかと思ったが、そうしたシーンは一度もなかった(もっとも過去の放送であったのかもしれないが。それはよくわからない)。基本的にこの女教師は、指示は出すがそれ以外は何もしていない。言ってることは正論。教育と言うのは、突き詰めると「洗脳」であるという話を

        • 下で遊んどいで!(2005年07月23日)

          2005年07月23日 記  図書館へ行こうとしたら自転車の空気が抜けていた。たしか管理人室に空気入れがあったなと思って、聞いてみると、今はもう置いていないと言う。住人に自由に使ってもらえるように、いつも管理人室の外に立てかけてあったのだが、子供がすぐに壊してしまうので、新しいのを買うのを諦めたとのこと。オモチャ代わりに振り回したりする子がいるのだそうだ。なんでも、三日と置かずに壊されてしまったこともあったというから驚く。  1階入り口付近は子供の溜まり場になっている。今

        マガジン

        • 失われた二十年を求めて
          45本
        • 失われた本を求めて
          3本

        記事

          女王の教室(2005年07月22日)

          2005年07月22日 記  小学6年生の時に、ひどい「いじめ」にあった。クラスメイトからではない。担任の女教師からである。はっきりとした理由はいまだにわからないが、思い当たるところはある。転校生の新参者だった僕が、新学期早々のテストでクラスのトップを取ってしまったのである。これは別に僕の頭が飛びぬけてよかったというわけではない。ほんとにたまたま、である(現にそのクラスには僕より成績のいい奴が山ほどいた)。そのクラスは5年生からの持ち上がりだったので、担任としてもそれなりに

          女王の教室(2005年07月22日)

          鈴木さんですか?(2005年07月21日)

          2005年07月21日 記 「担当させてください」というスパムメールがよく来る。なにを担当したいのかなぁ。まだ開いたことがないので(これからも開けるつもりもないが)、中身はよく分からない。うちだったらそうだな。まず家事を担当してください。食事もよろしく。あ、ついでにお風呂の掃除もお願い。あと最近エアコンの効き具合が悪いので、フィルター掃除もお願いしたいな。最後に子どもの相手を担当してください(夏休みなので)。こちらは週1回ぐらいでいいです。担当してください。  スパムもそ

          鈴木さんですか?(2005年07月21日)

          夫婦善哉(2005年07月20日)

          2005年07月20日 記  うちの夫婦は仲が悪い。ひとっところにいても、たいがいそっぽを向き合ってる。お互いのからだが近づこうものなら、ものすごぉい勢いで、喧嘩になる。押し合う、つっかかる、跳ね飛ばす……挙げくの果てにそこらじゅうで追いかけ回る。「あっち行けっ!バカやろうっ!」ってなもんである。もうなんでもアリだ。当然のことながら食事どきの会話などいっさいない。目先の食い物に、一心不乱にかぶりつくばかりである。相手のことなどおかまいなし。自分がよければすべてオッケー。

          夫婦善哉(2005年07月20日)

          タクヤ(2005年07月19日)

          2005年07月19日 記  タクヤと言えば、キムタクなどではなく、やっぱり藤岡琢也なわけである。フジタクなどと思わず縮めてしまいそうになるが、ここはぐっとこらえてフックンと呼ぼう。そう決めた。たまたま今日のお昼に「サッポロ一番 塩ラーメン」を食べたから思いついただけなのであるが。いやそれよりも最近、携帯のCMで見かけてちょっとびっくりしてしまったんである。たいへん失礼な話で申し訳ないのであるが、自分的にはすっかり「過去の人」だったもので。とうの昔に引退されたとばかり思い込

          タクヤ(2005年07月19日)

          港まつり(2005年07月18日)

          2005年07月18日 記  今日は名古屋港の「港まつり」の日だ。僕が子供の頃は、毎年7月20日と決まっていたのだが、ハッピーなんとかのおかげで、7月の第3月曜が祝日となり、あわせて祭りの日程も変更になった。僕としては20日に戻したほうがいいと思うのだけどな。どうしてかって言うと、その日は学校の終業式でもあるからだ。夏休みのスタートとして、港まつりの存在は欠かせないものだった。「これから夏がはじまるぞ~!!」という期待感を盛り上げるには絶好のイベントだったのである。この日ば

          港まつり(2005年07月18日)

          月夜を往け(2005年07月16日)

          2005年07月16日 記  夕方の散歩の途中で蝉の幼虫を見つけた。これから夜にかけて脱皮をするのだろう。一生懸命、木の高みを目指し、ゆっくりと歩を進めている。子どもは「うちで蝉になる瞬間を見たい」と言う。少々気が引けたが、摘みあげて家に持ち帰った。だがもちろん我が家には蝉が安心して皮を脱げるような、ほどよい木などありはしない。はじめはカーテンにまとわりついていたようだが、あまりに気の毒だ。そこでベランダの鉢植えをひと鉢、部屋に入れて止まらせてみることにした。はじめは「しぶ

          月夜を往け(2005年07月16日)

          こどもミクシィ(仮)(2005年07月15日)

          2005年07月15日 記  SNSに関する本を続けて読んでいたら、こども向けのSNSがあってもいいんじゃないかと思いついた。「こどもミクシィ」である。基本的にSNSは18歳未満の参加は認められていない。ミクシィも同様。「大人の社交場」という由縁であるが、たしかに子供が簡単に入ってきてはいろいろ面倒なことが多そうではある。未成年者のプライバシーの確保をどうするかとか、犯罪に巻き込まれる可能性もある。であるならば、逆に子供しか参加できないSNSがあってもいいではないか。大人は

          こどもミクシィ(仮)(2005年07月15日)

          ウブメ(2005年07月14日)

          2005年07月14日 記  京極夏彦がNHKに出演していた。しかも「スタジオパークからこんにちは」というお昼の生放送である。人気作家とはいえ、ミステリー、しかも妖怪作家が真昼間からご登場とはちょっとびっくりである。案の定というか、京極氏は心なしか土気色の表情で、運動不足と病み上がりのせいか顔全体もむくんでいる。いかにも不健康そうで、見ているほうとしては気が気ではなかった。ますます「不健康」に磨きがかかってきたように思えるが、これもまた「妖怪作家」のスタイルということか。や

          ウブメ(2005年07月14日)

          キムタク化(2005年07月13日)

          2005年07月13日 記  V6岡田准一のキムタク化計画が進んでいるように思う。いや、ほんとに勝手な思い込みではあるのだが。ジャニーズ自体にまったく興味もないので、たんなる直感である。だが岡田准一の最近の動きはなにか「カッコイイもの」を目指しているように見える。その先にあるのはおそらくマッチではなく、ヒガシでもなく、キムタクであろう。当たり前か。マッチは目指さんよな。というか事務所的に許さんだろう。「レースとか始めんな!」というのはすでに規律としてあるのではないか。あと「

          キムタク化(2005年07月13日)

          漢字に救われた話(2005年07月12日)

          2005年07月12日 記  高校生の時、すごく風変わりな授業をする英語教師がいた。始まりと同時にぼそりと数字をつぶやく。その日の日付である(今日だったら12)。その数と同じ出席番号の生徒が今日の「ご指名」というわけである。そのあと教師は一言も口を開かない。生徒は呆然と立ちすくむ。時間だけが無為に流れて、下手したらそれで授業終了。なんだかよくわからない。そして運の悪いことに、第1回目の授業の日の日付は僕の出席番号であった。結局僕は何をしてよいやら分からず、一時間ずっと立ちっ

          漢字に救われた話(2005年07月12日)

          も(2005年07月11日)

          2005年07月11日 記  子どもは2年生の時から「赤ペン先生」を続けている。答え合わせは僕がすることになるわけだが、たかが3年生の問題と高を括っていると、これがけっこう間違えたりする。親のほうが、である。例えば、ひらがなの「も」の書き順。先に「し」から書き始めるか、横棒から書き始めるかという問題である。「も」の書き順については、最近、知育玩具のCMなんかでも取り上げているので、ご存知の方も多いかもしれない。では次に「由」という漢字はいかがか。僕は先に「日」を書いてから最

          も(2005年07月11日)

          石(2005年07月10日)

          2005年07月10日 記  昨日、眼医者の帰りに子どもがきれいな石のかけらを拾った。通学路になっている小道である。宅配業者の敷地の隅に転がっていたようだ。敷地はフェンスで囲われているが、子どもの手ならなんなく素通りしてしまう。先を歩いていた僕を大きな声で呼び止めると、手のひらの中のそれをそっと見せてくれた。たしかにあまり見かけない石だ。黒と白が混じっていて、白い部分は水晶のようにきらきらと輝いている。雨降りにもかかわらず、よく見つけたものだ。鉱石にまったく疎い僕は「大理石

          石(2005年07月10日)