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領収書ください(2005年07月07日)

2005年07月07日 記

 昨日の日記の続きみたいであるが、図書館サービスが拡充されると、書店の売上は落ちるものなのだろうか? ちゃんとしたデータを調べきれなかったのでなんともいえないが、少なくとも個人経営の書店などはあまりいい気分ではないだろう。ただでさえ経営が苦しいのに、行政にそこまで「サービス」をされては太刀打ちできない。なにせ向こうは「経営度外視」なのである。かないっこない。では、こうした経営難の個人書店を応援したいかというと、いちユーザーとしてはなかなか複雑なところである。こと「サービス」に関しては、質の悪い店が多いと思うからだ。

 以前の日記にも書いたが、領収書すらマトモに切れない書店があったりするわけである。僕はオンライン書店の「e-hon」をずっと利用しているが、そこでは受け取り窓口を近所の書店に指定できる。当然、一番近い個人経営の店を選んでいたのであるが、最近、別の大手書店に切り替えた。理由は上記の通り。領収書の金額は間違うし、図書券での支払いに(なぜか)いい顔をしないし、そもそも領収書を切ること自体が面倒だ、という姿勢がありありとうかがえる。領収書の発行など書店業、というより商売の基本であろう。それすらマトモにこなせないのだから、潰えて当然という気がする。

 もちろん全部の個人経営店がそうだとは言わない。だが大型店では、アルバイトにも「商売の基本」がしっかりと叩き込まれている。店員のマニュアル化が本屋をダメにしている、という意見もあろう。だが、すくなくとも領収書は嫌な顔一つせず、しっかり「マニュアルどおり」に切ってくれる。僕にとっては、ちょっとぐらい遠くになっても、しっかり領収書を切ってくれる店の方がありがたい。大型店やオンライン書店の台頭など、個人店を取り巻く環境がますます厳しくなっていることは理解できる。だが多くの個人経営の店では、「商売の基本」すらなおざりになってはいないだろうか?

……とホントは、僕だったらこんな書店を経営してみたい!という妄想を書くつもりだったのだが、文句ばかりになってしまった。続きはまた明日。

2023年03月25日 付記

 個人書店の経営が厳しいという話は、二十年前からほぼ変わっていない。最近は、個人のみならず大型チェーン店さえも店をたたむ傾向にある。読書離れやネット書店の台頭、電子書籍への移行などは当時から危惧されていて、加えて近年ではサブスクの隆盛が追い打ちをかけている。いずれの問題に関しても有効打を打てないまま、ずるずると売上を減らしているのが現状。その一方で、個人で書店を立ち上げるケースも散見されるようになった。多くは客層を絞ったセレクト型のショップのように見受けられる。SNSなどで情報発信して、固定ファンを増やす戦略か。全体としては斜陽業界ではあるものの、工夫次第ではまだまだやれることはあるのかもしれない。

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