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人生ではじめてハマったゲームを語ろう

わたしは殆どゲームをしたことがない人生だった。

もちろん一回もない、一瞬たりともない、というわけではない。
子供の頃、ゲーム好きな父と弟のおかげで家にはゲーム機がたくさんあったし、2人が遊んでいるのを見ていた。その輪に混ざることもあったが、能動的にプレイしたいという気持ちは薄かった。

思春期の時期に友達の家でもゲームで遊ぶ機会はあったけれど、やはりみんなに合わせていただけで、そんなにハマらなかった。
大学生になって地元を離れる頃から、携帯がガラケーからスマホに変わって、周囲の友達がアプリゲームにのめり込んでいるときも同じだ。アプリをダウンロードすらしなかったので、本当に大真面目にゲームというコンテンツに興味がないのかも知れない。

正直言えば、同級生が全国で同時刻に実施されるアプリ内イベントにこぞって参加しているのを、若干の引き気味で見ていたくらいだ。何がそんなに楽しいのだろうかと。

ゲームに興味を示さない嗜好は大人になっても続き、きっとこのままゲームに手を出すことはないのだろうと思っていた。
そんなある日、そうそれはある年の秋。夕日も落ちかけた時間、突然『アイドリッシュセブンというスマホゲームをダウンロードしなさい……』というお告げが降りてきたのだ。

唐突な天啓に考える暇もなく、アイドリッシュなんたらを検索し、気がついたらスマホアプリをダウンロードして、アカウントの登録をしていた。
意味がわからないと思うが、意味を考える前にプレイし始めたので、もう後戻りは出来ない。

訳も分からずはじめたアイドリッシュなんたらだったが、結論から言うと大ハマリした。 


ゲームの構成はノベルゲームとリズムゲームの二本立てになっており、リズムゲームをクリアすると、ストーリーが開放される仕組み。
ストーリーは、父親の経営するアイドル事務所で働くことになった主人公が、所属する7人組男性アイドル「IDOLiSH7」のマネージャーとして、彼らをトップアイドルに成長させるための奮闘するというもの。物語の導入としてはありがちな設定ではあるが、これがとても泣ける……。

無名の少年たちが夢を叶えるために努力を重ねていくが、道は険しく、試練や挫折が織り交ぜられている。あまりの鬼畜シナリオに加えて恋愛要素も多くないのでもはや主人公(自分)の存在を忘れて、アイドルたち見守る一ファンの目線である。

そんなストーリーはゲームの特性上、ほぼ会話劇のみで進行する。フルボイスのキャラクターたちの言葉選びや声優の演技に圧倒されて、まるで小説の朗読を聞いているような錯覚まで覚える。声優大好きオタクとしては最高以外の何物でもない。最高。

そして何よりわたしの心を揺さぶって離さないのはゲームが一貫して表現しているのは「愛」であるという点だ。
家族、友達、仲間、きょうだい、師弟、そしてファンとアイドル。あらゆる関係を丁寧に描いている。誰かを、何かを好きになるということはどういうことなのか、深く考えさせられるゲームである。

とまぁ長々と語ってきたが、やっぱりわたしが好きなのはゲームではなくストーリーなのだろうと思う。しかし、そんなことは大した問題ではない。そう思わせてくれるくらいにアイドリッシュセブンは、実りある最高のゲームである。

声を高らかにしよう。
わたしはアイドリッシュセブンというゲームが大好きなのだ!

編集:らいむ 

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