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もうちょっと生きるかぁ

パッとしない毎日を過ごす人、多くないですか?それってコロナのせいだけじゃないですよね。わたしもだけど。でもその毎日、現実だからもうどうしようもないんですよ。どうしようもないけど、それで良いんですよ。

一編目

早速すみません…。
書き起こすのが難しくてあきらめました。笑
言えることは、一編目からずっしりきます。


二編目

物語を書くことが好きな主人公。
学生時代には絵を描くことが好きな友人と一緒に夢を叶えようとしていたものの、主人公はパートナーの妊娠や家庭を守ることを言い訳にして「普通」に働くことを選んだ。
絵を描き続けてどんどん活躍していく友人を見ながら、自分はこれでよかったんだと言い聞かせるけれど、何年経っても心の中ではモヤモヤしている。


「普通」とか「安定」とかそういうものを選ばずに、やりたかったことをやったり夢を追い続けていたらよかったと思うことってありますか?
仕事がしんどいときとか、そもそも毎日がつまらないときなんかに思ったりしますよね。
きっとそれをやらないうちはずっとモヤモヤするんです。
でも「普通」に生きていくために「普通」とか「安定」をとらなきゃいけない…。モヤモヤはずっとついてくる。


三編目

派遣を切られ、だれに惜しまれることもなく終わる出勤最終日。
その日の真夜中のラーメン屋で、人気クリエイターの動画を見ながら一人涙を流してラーメンをすする主人公。


何も考えなくてすむことに逃げたくなるとき、ありますよね。
SNSが主流の今だからこそ、ただYouTubeを見てるだけの時間が癒やしだったり。


四編目

契約社員として働きながら、中学生と高校生の子供と、仕事に明け暮れる旦那と暮らし、不自由な義両親の面倒を見る毎日忙しい主人公。
職場の同僚は毎日競合店の噂話と新人いびりばかり。
旦那は仕事ばかりで子供の進路や義両親のことについては一切目もくれない。
仕事のことなんてどんなに誠実に向き合っても自分ひとりの力ではどうにもならない、全部、遠い遠い星の話で、考えることは半径五メートル以内にたくさんあると主人公は考えている。


1日のほとんどを職場で過ごしていると、どうしても仕事のことが頭から離れなくなりますよね。
本当はもっと目の前の自分のことや家族のことで考えなければいけないことがあるのかもしれないです。
私自身、何年も仕事のことばかり考えて自分から目を逸らしてしまったせいで、未だに自分のことで苦しんでいます…。


五編目

自分の仕事はうまくいかなくなったけど妻の仕事は軌道に乗って、いつしか給料は夫婦で逆転。
それ以外にも衣服や装飾品、生き甲斐、様々なものが逆転されていく。
そんな妻相手には、そろそろ子供が欲しいと言われてもそれができない主人公。
でも、できないとは言えない。
それは自分の矮小さ、プライドの高さ、心の醜さのせいだと気づいている。
だから主人公は、どこのだれかもわからない人を相手にしている。
その人の前では、妻には言えないことも何でも言える。

心のままに泣いても喚いても叫んでも驚かない人がひとりでもいれば、人は、生きていけるのかもしれない。
どうしても生きてる P.278


大人になるにつれて、何でも吐き出せる相手は減って、大丈夫じゃなくても大丈夫と言わなければいけないことばかりになりました。
それはただ弱音を吐けないからというだけでなく、自分のプライドがそうさせていたりもします。
自分の心に嘘をついて平気でいようとするたびに、心に分厚くて黒い雲がかかるような感じがします。
痛いときは痛いと、辛いときは辛いと言える存在が1人いるだけで自分が迎えられる明日が延びる気がしました。


六編目

小さい頃からあたりハズレで言ったらハズレ籤(くじ)を引く側の人生だった主人公。
出生前診断で陽性の結果が出てしまったり、旦那にはそれを受け入れられないと拒絶された挙句に不倫まで暴露されてしまう。
みんなが当たり前にできることが自分はできない環境に置かれ、なんで自分が、と思うようなことばかり。
どうして先天性の病気を持って生まれてくるのが自分の子なのか、どうして不倫をするのが自分の旦那なのか…。
それでも主人公は強く生きていこうとする。


様々な環境で、様々な事情でみんな生きることに苦しんでいると思います。
でもみんなが生きている人生は紛れもない現実で、舞台のように主人公が落ちるところまで落ちたタイミングで暗転して、次にスポットライトが光る時には明るく道が開けていく、みたいな、そんなうまい人生はないことを突きつけられます。
みんなみんな、どうしても生きてる。

でも、最後の最後に筆者は前を向かせてくれる。ハズレ籤でも大丈夫。
主人公はたくさんのハズレ籤で、蝶々結びだって何だってできるようになった。

全部繋げて、リボンにするのだ。そうすれば、つらいときには包帯としても使える。人生を美しく包むものも、たくましく補強するものも、いつしかこの手でつかみ取っていた。
だからきっと、大丈夫。これまでみたいに、不安で不安でたまらないまま、大丈夫になるまでどうせまた生きるしかない。
どうしても生きてる P.370


嫌になるくらいの現実を突きつけられます。
生きたいわけでも死にたいわけでもなく
好きなことに人生を懸ける勇気があるわけでもなく
いつも近くに弱音を吐ける相手がいるわけでもなく。
だからこそ、何の意味もない動画を見たりして気を紛らわせて。
あの人はこうなってるのに、この人はこれやってるのに、自分の人生ハズレだなと思っても大丈夫。
六編目の強く現実に立ち向かっていこうとする主人公のおかげで、こんな自分の人生でも生きていけるなと思わせてくれる一冊です🕊


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