人情の商店街

僕の街にはかつて

賑やかな商店街があった。

赤味噌、白味噌など

いろんな味噌を

樽の上に盛り上げて

店のおばあちゃんが

ちょこんと座っている。


八百屋さんは

所狭しと野菜を並べて

威勢よく声を張り上げる。

豆腐屋さんでは

水の中に豆腐が浮かび

油揚げをさらっとした

油で揚げている。


魚屋さんは

秋刀魚や鰯など

新鮮な旬の魚を

輝かせて売っている。

お肉屋さんは

いつもにこやかな笑顔で

「今日は何にする?」尋ねる。


でもみんな歳を取り、

店を閉めてしまった。

味噌屋さんはとっくのとう。

肉屋さんも魚屋さんも

シャッターを下ろしたまま。

八百屋さんや豆腐屋さんは

なんだか元気がない。


あの頃が懐かしい。

おじさんやおばさんと

会話を楽しみにながら

買い物をしたものだ。

しかし今はどうだろう。

無言のまま食品を選び

機械にお金を払うのだ。


僕はスーパーマーケットが嫌いだ。

人情も新鮮さも美味しさもない

無味乾燥とした買い物。

でもこれは都会だからじゃない。

地方だって今や同じなのだ。

でもイタリアやフランスは違う。

独立した商店が頑張っている。


スーパーマーケットが

小さなお店を潰したのだ。

認可した日本政府が憎い。

昔のよき日本に戻して欲しい

家で美味しいものを食べられる、

そんな世の中にして欲しい。

人情味溢れる世の中に!