三ツ星キッチンカー

元気が湧き出る映画だった。
落ち込んだとき見れば勇気が湧く。
人生、最悪の時期は誰にでもある。
そのときにどうするかを教えてくれる。

マイアミで天才シェフと謳われた
カールはロスで腕を振るっていたが、
オーナーの方針で新メニューは出せず、
定番の人気コースを出すばかりだった。

高名な料理評論家がそれを批判揶揄、
ぶち切れたカールは彼を罵るが、
それがSNSに投稿され炎上する。
カールはレストランを首になってしまう。

マイアミに戻ったカールはそこで
抜群に美味いキューバサンドを知る。
ポンコツのフードトラックを手に入れ、
小学生の息子や弟子と一緒に販売する。

息子はSNSを巧みに操れるITボーイ。
「カール・イズ・バック」と
三ツ星シェフの復活をアピールするや
瞬く間に長蛇の列の人気店になる。

料理を作ることが大好きなカールは
ノリノリのキューバ音楽を車内に流し
踊りながらキューバサンドを作る。
息子もそんな父親が大好きなのだ。

マイアミからロスに向かって
キッチンカーは街を巡っていく。
ジャズの街、ニューオーリンズや
テキサスのオースチンなどでも大流行。

ロスでも大人気のキッチンカーは
カールを揶揄した料理評論家が
レストランを出す資金を提供すると言い、
カールの好き放題の店が誕生する。

自信も名誉も回復したカール。
最高なのは息子と前妻の愛を取り戻せたこと。
絶望から這い上がって幸福をつかむ
ハッピーエンドの物語だが、
監督・脚本・主演のすべてはジョン・ファヴロー、
まったくいい映画を作るヤツだ。