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本条寺京太郎 即興詩集 2020シーズン

365
毎日1つ即興詩を書いている本条寺京太郎氏の2020年4月14日〜2021年4月13日までの365日すべての詩を集めた2020年シーズン詩集。本条寺氏が日々感じた心模様や音楽、絵画…
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#俳句

真砂女「人悲します恋をして」

新橋汐留の小粋な蕎麦屋、 成富の壁に掛かった短冊に 鈴木真砂女の自筆の句が 凛とした佇ま…

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初蝉は春蝉

鮮緑の山にやってきた。 6月に入ったばかりなのに もう蝉が鳴いている。 それも明け方から暫く…

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田んぼの鮮やかな緑

田んぼに水が入ったと思ったら 苗が一列縦隊で何列も植わっている。 梅雨に入ったときが苗の…

7

「遊行柳」

広々とした田んぼの彼方に 高く大きな柳の木が飄々と 枝葉を風に靡かせ佇んでいる その昔、…

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地の底から句を吐く

学校で習ったからか小林一茶は誰も知る俳人だ。 「痩せ蛙 負けるな一茶 ここにあり」 「やれ…

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連句を巻く

俳句は五七五であるが、 これは句を続けていく 連句の最初の上の句、 五七五の発句だけが …

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虚子の「春風や」

後輩のSは俳句に詳しい。 大学時代は友人たちと 俳句への教養比べを していたようである。 飲み会の最中に誰かが 初句・中の句を言うと 先を争って結句を 言いあっていたそうだ。 かなりの知的遊びである。 そんなSだから 僕の拙い句には 添削をしてくれる。 春になった。 暖かくなってきた。 男臭い彼が病を患った僕に 虚子の句を贈ってくれた。 春風や闘志いだきて丘に立つ 虚子 山に登りその頂で 思い切りこの句を叫びたい。 春の陽光と春風を浴びて