虚子の「春風や」

後輩のSは俳句に詳しい。

大学時代は友人たちと

俳句への教養比べを

していたようである。


飲み会の最中に誰かが

初句・中の句を言うと

先を争って結句を

言いあっていたそうだ。


かなりの知的遊びである。

そんなSだから

僕の拙い句には

添削をしてくれる。


春になった。

暖かくなってきた。

男臭い彼が病を患った僕に

虚子の句を贈ってくれた。


春風や闘志いだきて丘に立つ 虚子


山に登りその頂で

思い切りこの句を叫びたい。

春の陽光と春風を浴びて

明日への闘志を漲らせたい。