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結婚願望のお花畑に水を差した友人の的確な一言

新聞の人生相談を見て自分と似てるなと感じました。

質問したのは、同棲していた恋人と別れて実家に帰ってきたという30代の女性。どうもあまりいい男性ではなかったようです。新しい恋愛に進みたいけど精神的な持病があることなどが引っ掛かる、ような質問に、姜尚中先生が回答しました。

あなたは自分の中にある「誰よりも幸せになりたい」という強い願望と、「人との濃厚な関係で傷つきたくない」という脆弱さとの板挟みで悶々としているように思えます。
(中略)
あなたの場合、脆弱さを強く自覚しているせいか、どこかで予防線を張り、その弱さをかき乱すような密着した人間関係をいつも警戒しているように見えます。
(中略)
それが「持病」に由来したものなら、まずは治療に専念した方がいいかもしれません。
それでも言えることは、人と人との関係、ましてや恋人との関係では「いいとこ取り」では済ませられないということです。相思相愛の恋人や似たもの夫婦の間にも「神経戦」があるはずで、それも含めて人と人とはお互いに引き寄せ合っているのです。

朝日新聞2022年12月10日

彼女の精神的な持病が私と同じかどうか分かりませんが、親密な人間関係を避ける傾向は私にも大いにあります。それでいて、ロマンティックな恋愛にあこがれる気持ちも前は強かったのです。たぶん40代半ばまで「誰よりも幸せに完璧な恋」と「親密な人間関係は怖い」の間で引き裂かれていたと思います。おそらく現実の男性は誰も私を満足させられなかったでしょう。

2015~2019年、東京で一人暮らしをしました。一人で生計を立てるしんどさから既婚者が羨ましく見えたようです。既婚の友人にぽろっと結婚願望らしきものを漏らしたら、彼女は冷静に「結婚はパートナーに自分がもろに投影されるからバラ色じゃないよ」と一言。私の頭はすぐに冷めました。おそらく、私のふわふわしたところを彼女は鋭く見抜いたのだと思います。

小娘のようなフワフワしたものを抱えたまま40代になったのは、訳があります。当時は知らなかったのですが、私は愛着形成の無秩序型というものを背負っています。(自律神経を整えるセラピーを2年受けてそこそこ改善)。私の母親は未解決のトラウマが山積み、愛着の問題などがある状態で私を育てたのですが、幼い私の行動が母の愛着のシステムを刺激することがあると、かなり激しい反応を起こしました。幼子の私には「殺される!」レベルの恐怖に満ちた行動をとったということです。
特別な知識がなくても、これが子どもの育ちに良いはずがないとわかりますね。そのような子どもの状態と、成人してからの状態が「今ここ神経系エクササイズ」に書かれています。


【子ども】
にげるもたたかうも激しい強度で使い、突然凍りついたりします。交感神経が強く興奮しすぎているかと思うと急ブレーキの背側を使ってそれを抑え込みます。高い心拍数と低い血圧、驚愕反応、アドレナリンで興奮しすぎコルチゾールに切り替わる、など神経系の不調整の症状が見受けられます。
この調整力の乏しい生理機能のまま、たとえ誰かとつながろうとしても強い不快感があったり、恐怖にさいなまれたりして逃げてしまうなどの接近と回避の矛盾した言動が見られます。
【大人になると】
過度の覚醒と虚脱を繰り返します。怒りの爆発、親密さにまつわる内面の葛藤、理想化とこき下ろし、安定して世話をしてくれる人とのつながりの感覚記憶が存在していないため、親密さを求めつつ恐怖で回避します。

「今ここ」神経系エクササイズ 浅井咲子

この状態でいくら努力しても、恋愛がうまくいくはずもなし。この事実を知り、そしてセラピストさんには「寝たきりになっても無理もないぐらい身体にかかる負荷が大きい」と言われて、自分を見る目が変わりました。下手に恋愛、結婚などしていたら、私の人生はもっと過酷なものだったと思います。この世にいなかったかもしれません。その領域に手を出さなくて本当に賢明でした。

セラピーを継続すること2年、仕事上の人間関係は前よりだいぶ楽になりました。男性関係という領域に、今のところあまり意欲はありません。生計は自分で立てるし老後資金も作ります。将来、経済的な依存先としてではない異性との関わりを持つことは否定しませんが(笑)



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