ピアニスト髙橋望さんによる演奏会「ゴルトベルク変奏曲2024」_2024年1月20日
昨日は浜離宮朝日ホールで、ピアニスト髙橋望さんによる演奏会「ゴルトベルク変奏曲2024」を聴きました。
「ゴルトベルク変奏曲」の演奏は、多くの演奏家がそうであるように髙橋さんもライフワークにしているもので、毎年1回行われる演奏会は今年で11回目になります。
アリアから始まり、様々な変奏を経て、またアリアで終わる「ゴルトベルク変奏曲」。
昨年髙橋さんの演奏を聴いたときは、耳に届く音はもちろん、目が捉える演奏中の手の動きからも想起される、多様なイメージを楽しみました。
たとえば「第6変奏 ト長調 2度のカノン」辺りではふと森林の奥で水が湧いたようなイメージが生まれ、”川のはじまり”を目撃したように感じました。鍵盤の上を交差する手はあたかも徐々に勢いを増す流れのようで、合わせて私も移動していくような感覚を覚えのです。
今年も聴きながらイメージが想起されましたが、昨年よりもやわらかく、現実の自分を基軸にしたものでした。断片的に浮かんでは流れていく記憶や想像--。それは内省的な体験で、言うなれば不眠症に悩むヘルマン・カール・フォン・カイザーリンク伯爵が、当時14歳だったヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルク少年の演奏で有意義に過ごした眠れぬ夜を思わせる、穏やかで豊かな時間でした。
奇しくも年末は、世界で唯一チェロ1本で同曲を演奏する北口大輔さんの演奏会に行き、年明けは髙橋さんのピアノで聴く、というサイクルを2年繰り返しています。
同じようでいて明らかに違うこの経験も、「ゴルトベルク変奏曲」的であると言えるかもしれません。
この日のアンコールは、J.S.バッハ「3声のシンフォニアから11番ト短調」。会場での掲示がなかったので、スタッフさんに伺いました。
さて、演奏会の後に今年も打ち上げに参加させていただいたのですが、その際、ちちぶFMのパーソナリティの山中優子さんとお話できました!
山中さんは「クラシック音楽への旅」という番組で、髙橋さんと共演されている方。
私は東京からよく拝聴しているリスナーで、番組内でときどきメッセージを読んでいただいてるのです。音声から伝わるほっこりしたお人柄が大好きだなので、お目に書かれて本当にうれしい!
※演奏中の写真は、髙橋望さんのX(旧Twitter)よりお借りしました。