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ブラームスのオケに周防 亮介さん(Vn)が! ピアニスト反田恭平さんが弾き振りをした、サントリーホール記念演奏会_2023年10月12日

多くのクラシックファンの皆様がご存じの通り、サントリーホールの開館記念日である10月12日は毎年、祭典的な記念コンサートが開催されます。

ホールとしては37周年に当たる2023年は、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏が、日本初のモルトウイスキー蒸溜所・山崎蒸溜所(大阪府)の建設に着手してから100周年という、大きな節目でもありました。

■ピアニスト反田恭平さんが弾き振りする、ショパン「ピアノ協奏曲第1番」

この大役を担うにふさわしい、演奏会。ピアニストの反田恭平さんが弾き振り(指揮とピアノを兼任)をする、ジャパン・ナショナル・オーケストラ特別編成の「HIBIKI THE HARMONY~反田恭平 & Japan National Orchestra~」に行ってきました。

反田さんの勝負曲であるショパン「ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op. 11」は、鳴っているといないとにかかわらず、すべての音から
「自分はこの曲をこう弾きたい!」という反田さんの情熱が溢れ続けていました。

まるで日本人のソウルである演歌のような音の”溜め”や、抒情的に歌う強弱のつけ方、オーケストラの音の発し方など、すべてに。
それを体験するのは心から楽しく、幸せな時間でした。

もう1つ、驚いたのは2幕のブラームスで、オーケストラの中にヴァイオリニストの周防亮介さんがいらしたことです。

プログラムのメンバー表には記載がなかったので、ステージ上にお辞儀の仕方がソリストのそれである、周防さんの華やかな姿を見つけたときは目を疑いました。同時に、この日の座組みや配置に反田さんの明確な意志を感じた瞬間でもありました。

■サントリーウイスキーにとっても特別な意味をもつ、ブラームス「交響曲第1番」

さて、後半で演奏されたブラームス「交響曲第1番」はサントリーウイスキーにとっても特別な意味をもつ曲です。

ウイスキーの生産工程において、ボトル詰めする前に熟成年数や種類が異なる原酒をブレンドすることは、命である香りを確定するとても重要な工程。
なんでも「響」の創作当時には、チーフブレンダーの稲富孝一氏がブラームス作曲の「交響曲第1番」の第4楽章をイメージしてブレンドを完成させたそうです(なんでも、ご本人はヴィオラを弾く方だったそう)。

休憩時間にはブルーローズホールが解放されていて、コンサートチケットとセットになっていたドリンクチケットで入場すると、グラスで響を楽しむことができました。

ワタクシゴトなのですが、私はアイラシングルモルトを中心にウイスキーが好きです。とはいえお酒に強いわけではないので、いつも1杯ほどしか飲めないのですが、たいていはトワイスアップという飲み方で香りを楽しんでいます。

ちょうど今年書いている「湖面にたゆたう」(島田荘司先生「丘の上」の続編)という長編小説の中で、ウイスキーが重要なモチーフの1つとして登場するので、今日の演奏会でさらにウイスキーが好きになり、執筆するエネルギーも湧いた気がします。

「HIBIKI THE HARMONY~反田恭平 & Japan National Orchestra~」
<プログラム>
前半
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op. 11
アンコール/
グリーグ:「トロルハウゲンの婚礼の日」Op.65-6(ピアノ・アンコール)

後半/
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op. 68

【ききみみ日記】
★今回で投稿125回目になりました★
オペラ・クラシック演奏会の感想をUPしています。是非お越しいただけますとうれしいです。
(2022年10月10日~2023年1月15日まで101回分を毎日投稿していました)




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