ドライブレコーダー
「では、証拠のドライブレコーダーの中身を拝見してもよろしでしょうか?」
また事故が起きるのは目に見えている。
私は、渋った。
「後でではダメですか?」
「なぜです?」
「・・・いえ。」
悪いことをしていないのに警察に疑われるのはとても気分が良くない。
いや、もう気分とかはどうでも良い。それよりこの状況が一番良くない。
数時間前、いつも通うスーパーでの買い物が終わり、熱しられた車内に乗り込み、いつもの変わらない道を運転していた。
長い赤信号を待っている時、友達から電話が入ったのでハンズフリーでそこら辺の主婦がよくするような何気ない会話をしていたのだ。
「今何してる?今日あそこのスーパー肉すっごい安かったよ。」
「買い物終わったところ。それよりさぁ聞いてよー。昨日お義母さんがさぁ」
「あれ、今ってお母さんと住んでいたっけ?」
「いや、違う違う。夫の方のね。」
「それで、お義母さんが、デリカシーがなくて本当ストレスなんだよ。変なところ夫も受け継いじゃって。しかも余計なお世話が多くて」
「昨日なんか・・・・」
その時、目の前から車が飛び出して来た。
キーーーーーーーーーーーッガシャ・・・
病院に運ばれ、連絡した夫が心配して駆けつけてくれた。余計なお世話が好きなお義母さんも来てくれた。
怪我は、軽傷だが松葉杖が無ければ歩けない状態だった。しかしその他は問題なかったので、その日に帰る事ができた。
ある意味これが悲劇の始まりだ。
「これから警察に行きましょう!」
「母さん、明日でいいんじゃない?休ませないと」
「ちょっとおうちで休みたいですね・・・」
「でも、犯人が逃げちゃうわよ??あなた、それでもいいの??」
「確かに、証拠はドライブレコーダーしかないもんな。怪我も歩けるし具合だしこれから・・」
「明日一人で行きますから!大丈夫ですよ!!気にしないで下さい!!!」
「いや、やっぱ一人で行かせるのは夫として良くない。行こう警察に」
といった訳で、私と夫、お義母さんと警察署にいく事になった。
「では、証拠のドライブレコーダーの中身を拝見してもよろしでしょうか?」
また事故が起きるのは目に見えている。
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