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麻疹について


麻疹は麻疹ウイルスよる感染症です。

いわゆる、はしか、です。非常に感染力が強く、空気感染、飛沫感染、接触感染のいずれの方法でも感染します。

風疹より感染は強いです。

初感染の場合は90%以上が発病すると言われます。


子供、特に1歳代に好発し、春夏に多いです。近年では成人麻疹の増加が問題となり、10~20歳代での発症が報告されています。

10~14日の潜伏期を経て発症し、臨床経過から1)カタル期、2)発疹期、3)回復期に分類され、症状が出現してから2週間程度で治癒すると言われてます。

1)カタル期(発症約5日目まで)
38度前後の発熱と鼻汁、くしゃみ、咳などを認め、3~4日間続きます。

カタル期、末期の1~2日間に、解熱するとほぼ同時に口の粘膜、ときに歯肉まで点状の白色斑(コプリック斑)を認めます。

この時期の気道分泌物や唾液、涙液が最も強力な伝染力を持ちます。

2)発疹期(発症約10日目まで)
発疹の出現とともに再度発熱を認め、3~4日続きます。熱が上がったりさがったりします。

発疹は耳後や頬部から始まり、体幹や四肢へ拡大します。

この時期は高熱が持続し脱水をきたしやすいです。

3)回復期
発疹期を過ぎると急速に解熱し、皮疹は色素沈着、落屑(らくせつ)を残し、次第に薄くなります。

【合併症】
中耳炎などの細菌感染、肺炎、麻疹脳炎などがある。

【診断】
臨床症状で診断することが多いですが、採血で抗体の上昇を確認することや、カタル期の気道分泌物からのPCR、いわゆるコロナの検査で判断します。

【治療】
発症した場合、ウイルスに対する特異的な治療がないため、安静、保温、解熱薬や鎮咳薬投与といった対症療法が行われます。

細菌感染が合併する場合は抗菌薬が使用されます。

【予防】
ワクチンを接種し発症そのものを予防することが重要で2006年度からはMR(麻疹・風疹混合)ワクチンが使用され、1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象とした定期接種が行われています。

発症した場合は感染力が非常に強いため、患者の隔離が必要です。「学校保健法」では、解熱後3日経過するまで出席停止となります。

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