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『令嬢アンナの真実』から見えるニューヨークの処方箋?

夏休みに入って最近観たり読んだりしたものから、ニューヨークに集まる人たちや、街のことをすごく考えさせられることがすごく多くなりました。

そのひとつは、友達に勧められた『令嬢アンナの真実』。舞台はニューヨーク。ドイツの大富豪の令嬢を語り、ニューヨークの銀行、ファッション業界、投資家を含む上流階級の人々を騙してきた26歳女性・アンナの話。

業界に長くおり、名声を轟かせている人しか出入りできない狭いNYの社交界に、富も血筋もないアンナがどう入り込み、どうインテリ層を騙していったのか。すごく面白いです。


その中で、特に印象に残ったのが、アンナについて記事を書こうと、コーヒーを奢って協力をお願いした記者に対して、ホテルで働くアンナの友人が言った言葉。

“I Am Not New. I Am Not Stupid. This Is New York. I Work In The New York People Business. Everyone Here Is Running A Game. Everyone Here Needs To Score. Everyone Here Is Hustling.”
(私はここに長くいる。馬鹿でもない。ここはニューヨークだ。私はニューヨークの人たちのビジネスの中で生きている。誰もが競争の中にいて、誰もが勝つ必要があって、誰もが急いでいる。)

そしてその後に、「皆何かを求めている。お金。名声。愛…。だからあなたも自分が欲しいものを認めなければ、あなたのことも信じない」と続いていきます。

この場面、すごくニューヨークっぽいなあと思ってしまって。

ニューヨークでは、誰もが仕事でもプライベートでも理由があって住んでいる人ばかりで、みんな自分が欲しいもの、成し遂げたいことを秘めている人ばかり。そして、それを臆面もなく自分は何が欲しいのかを明確に言葉にして伝えている人が多いです。

最近で驚いたのは、オンラインアプリで初めて人と会うとき、あるいは会う前から「私は短期的な関係でなくて、真剣な交際を求めている」あるいは「まだパートナーを探す気ではなくて、いろんな人と付き合ってみたい」とはっきり言葉にすることが習慣になっているらしいということです。

デートに限らず、仕事でも「有名になりたい」「キャリアで成功したい」などはっきり言葉にして、そういうチャンスがある場所での自分の露出を増やすこと。もしかしたら、ふらっと入ったバーだって次のチャンスにつながるかもしれない。逆に、動かないと何も変わらず、置いてかれてしまうという焦りや危機感もあります。

とにかく情報や世界が動くペースが早いし、世界中からいろんな熱意や才能を持つ人たちが集まる街だからこそ、欲しいものを明確に言語化すること、チャンスへの前のめり感がすごく大事みたいです。正直たまに息苦しくなる時があるので、そう言うときはみんなどうやって息抜きをしたり、そういう世界から離れているのかは今後気になるとことではあります。

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