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ビーガンと、食と、もやもやと。

ニューヨークに来てから一番楽しんでいることのひとつは多様な食だと思う。
普段は自炊することが多いけれども、スーパーに行くとアジア系だけでなく、南米やカリブ海、アフリカなど日本でなかなか見ない食材が多くて、パッケージを見ているだけでもすごく楽しい。そんな中で、最近食についてちょっとびっくりしたことがあった。

今は一時的に仮暮らしをしており、部屋の構造上部屋を貸してくれている人と日々顔を合わせることが多い。この人が、ヴィーガン(完全菜食主義者)で、私がご飯を食べていたり、立ち話していると何かと食について言われることが増えてきた。

例えばある日、トマトパスタにパルメザンチーズをかけて食べていたら、
それを見かけたホストの人に
「チーズは、牛に無理矢理乳を出させて、子供を親から引き離すことでできた製品なのよ。それに、家畜が出す温室効果ガスは環境にも悪い影響を与えるし、最近の異常気象はそのせいなのよ。動物がかわいそうだし、環境に悪いから、チーズ含めて乳製品は食べてはいけないのに。」
(本当はもっとひどい表現だったけれども、その後だいぶ気持ち悪くなってしまったのであえてここには書きません…。)
さらには、牛肉や豚肉のことを「死んだ動物の肉」と言ってきたり、生魚やカニ・タコを食べることがいかに海の生態系にとって悪なのかというこんなチラシを渡されたり。

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ちなみにヴィーガンとベジタリアンってどう違うのか調べてみたら、こういうことだそう。

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(参考)Vegewel https://vegewel.com/ja/style/vegan-vegetarian

言われたことがすごく気になってしまって、チーズの製造過程を調べてみると、確かにそういう思考に至るような製造プロセスが存在するのはわかった。そして、異常気象が続いたり、地球温暖化が加速している、というニュースも報じられていて、普段の日常の中でも大きく自分たちの生活習慣を見直さないといけない岐路に立っている、ということも理解できる。

そういう状況を踏まえて、ヴィーガンやベジタリアンの人たちの考え方も理解できるし、一概にその人たちが悪いとかは全く思っていない。

けれども、自分がまだ慣れていない土地でそういうことを言われることで、慣れていない食文化を強制させられている感じがあって、すごく違和感があった。

日本だけでなく、世界でも肉や魚を使う食文化も多くあり、食に関わる人も大勢いる。動物性の食べ物からしか取れない栄養素だってあったりする。
(例えば私は偏頭痛持ちなので、よく頭痛を治す時は大体鯖の塩焼きと豚汁を食べて治していた。)
実際に畜産業にも関わっている友達・知人もいて、家畜の育て方、食として提供する方法を試行錯誤しながら工夫している人たちがたくさんいる。
動物愛護の観点からすると、確かに「かわいそう」という見方もあると思うけれども、そしたら遺伝子組み換えしたり、品種改良されている植物だったらいいの?というかだったら何を食べて生きていけば良いの?ていうか関係ないけどそんなに環境のことを気にするなら24時間、23℃のままつけっぱなしにしているそこの部屋のエアコン、消してくれない?と正直ちょっとイラっとしてしまった。

ちなみに日本は精進料理だったり、植物性の料理が文化としてあると思うが、アメリカでは食の選択肢として、ヴィーガン・ベジタリアン専門のレストランを街中でよく見かける。スーパーでも日本とは違う植物性の肉や製品が手に入りやすい。(ちょっと高めだけれども。)

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この豆腐ベースのお肉シリーズは鷹の爪と甘めの調味料が入っていて、野菜炒めにするとピリ辛で美味しかった。1箱約600円くらい。

人によって意見が大きく分かれやすいとてもセンシティブなトピックだと思うけれども、個人的には自分のライフスタイルや好みに合わせて自分にできることから環境に貢献したいし、長く続けるためにもできる限り楽しめる習慣を通して気をつけていきたいよね。そして、人によって貢献の仕方は違うはずだから、一人ひとりにできることをするのが基本なのではないかしら、という結論になった。

ただ、ヴィーガンの考え方までは私も日本にいたときは正直意識したことがなかったので、本当にびっくりしたし、改めて考えさせられたいいきっかけだったと思う。

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